通信Vol.176(2019年1月)

平成もいよいよあと数か月を残すところとなり、次の元号が何になるかがあちこちで話題になっていますね。みなさんはどんな元号になると予想しますか?

 

今回は、自分の意見をはっきり言った方がいいのか?言わない方が他人とうまく付き合えるのか?ということについて考えてみたいと思います。

あなたは、会議や友達との会話で自分の意見をハッキリ言うタイプですか?それとも他人とぶつかることを避けて自己主張しないタイプですか?

自己主張する人は、自分の意見を言わないことでモヤモヤが残るのが嫌だからハッキリ言うという人、何が何でも自分の思い通りに事を動かしたいという人、等々人それぞれだと思います。また、自己主張しない人にもそれぞれ言い分があると思います。

先日ラジオを聴いていたら、テレビ等で有名な大学教授の武田邦彦さんの人生相談で、あるお母さんが「子供には自分の意見をハッキリ言える人になってほしいと思いますが、小さい頃からそのように育てても良いか?」という質問をしていました。それに対し武田さんは、「自分の意見を言う前に、他人の意見をしっかり聞いて、それを認める力をつけて、その上で自己主張する力をつけないと、社会の中で上手くやっていけない」という趣旨の回答をしていました。他人の意見をしっかり聴いて、それを認めるというのはとても難しいスキルです。これが出来たらどんな社会でも他人と上手くやっていけるといっても過言ではありません。

自己主張する場合の大前提として「自分の意見が正しい」と思う人は多いと思います。テレビの討論会などを見ていても、自分の意見を主張する人は他人を論破したがる傾向があるのも事実です。はたして貴方の考えは絶対正しいのでしょうか?正しいのか正しくないかを論ずるには、検証が出来ないとハッキリとしたことは言えないのですが、果たして物事が起きた結果について、違う方法が検証できるでしょうか?今朝起きるのが30分早かったらどんな一日になったでしょう?早く家を出た結果、交通事故に遭ったかもしれません。でも、時間は巻き戻せませんから検証は出来ません。違うパートナーと結婚していたらどうでしょう?あるいは独身を貫いたならどうでしょう?いまある結果を無かったことにして時間を巻き戻すことは不可能ですし、もしタイムマシンに乗って過去にさかのぼって違う選択肢を選んだとしても、より良い結果が得られる保証はありませんから、何が正解か間違いかは誰にもわからないのです。自分と相手の意見が対立する場合も同じです。どんな意見でもどちらが正解かは誰にもわかりません。目的地にたどりつく方法がA、B という2つのルートがあって、どちらが早いか、どちらが安全かは議論できても、突発的な事故や渋滞の予測は不可能です。どんな結果でも、過去にさかのぼって違うやり方を検証できないので、今起きている結果が正論と考えるのが得策です。

自己主張をしつつ、周りの人と協調するためには、「自分の意見だけが正しい」という偏った考えを捨てなければならないということです。武田さんは「他人を尊重できないうちは、自己主張をしない方が良い」とも言っています。私もOK、あなたもOKというスタンスが出来れば自己主張をしても、周囲の人と上手くやっていけるということでしょう。