通信Vol.209(2021年10月)

稲刈りもすすみ、秋もどんどん深まってきました。秋の夜長は何をして過ごしていますか?僕はもっぱら読書や、YouTubeを観ながら、犬猫とまったりと過ごしています。

 

今回は仕事、人間関係、お金回りと何をやっても上手くいく人と、何をやっても行き詰ってしまう人、上手くいかない人の脳の使い方の違いについてお話ししたいと思います。

これは精神論、根性論とは違って医学的、科学的に裏付けのある話ですので、何度も読んでいただきたいと思います。

人間の思考回路は大きく分けて2パターンあります。一つは「苦痛系回路」ともう一つは「報酬系回路」です。

「苦痛系回路」とは「~しなきゃ」という義務感、強迫観念で行動を起こすことで、精神的苦痛やプレッシャーを伴います。「この仕事をやらないと大変なことになる」「これをやらないとお母さんに叱られる」「この試験に受からないと希望の○○大学に入れない」などの思考で行動を起こす場合です。

それに対して「報酬系回路」とは「この目標を達成したら幸せを感じる」「これをやってお母さんを喜ばせたい」「この試験に合格して希望の大学で〇〇を学びたい」という思考で行動を起こす場合です。

報酬系回路」が働くと脳内でオキシトシン(愛情ホルモン、ストレス緩和作用)、βエンドルフィン(脳内麻薬、鎮痛作用)、セロトニン(幸せホルモン、精神安定作用)、ドーパミン(やる気、学習能力向上)などの脳内物質が分泌されるといいます。

反対に「苦痛系回路」が働くと、ノルアドレナリン(戦闘モード、イライラ)、コルチロイド(記憶の更新に作用)、テストステロン(男性ホルモン、抜け毛)、コルチゾール(低体温、代謝が落ちる)などのホルモンが分泌されます。

自分が物事を考えたり、行動を起こすときには「報酬系回路」で思考すると脳も体も運気も良い方向へ働きます。そのためには自分が「苦痛系回路」で物事を考えているのか、「報酬系回路」で考えているのかを振り返ってみる必要があります。それは自分自身に問いかけることでわかります。「この行動を起こすのは何故?」「どうしてこれをやるの?」「何の目的でこれをやるの?」という問いかけをしていくと、色々な問題の本質が見えてきます。

僕の場合で考えると、朝起きる時に「起きて犬の散歩に行かないといけない」と思って起きることが多いのですが、この考えを因数分解すると「そもそもどうして犬の散歩に行くの?」という問題があって、「苦痛系回路」で考えると「飼い犬の散歩は飼い主の義務」とか「室内でそそうをさせない為」となるのですが、「報酬系回路」で考えて「この時間に散歩に行けば外でオシッコとウンチが出来て気持ちいいだろうな」、「散歩に行ったら喜ぶだろうな」、「愛犬の喜ぶ顔を見たいな」という動機付けをします。

食事に気を付けている人もいると思いますが、「これを食べると体に良くない」「この栄養素の食材を摂らないと病気になる」という「苦痛系回路動」の動機付けは、逆に病気を誘引する考え方です。では「報酬系回路」で考えるとどうなるでしょう。「これは体にいい食べ物だ」「これを食べないことでもっと健康になる」といった動機付けになります。

もちろん思考をすべて「報酬系回路」にすることは難しいかもしれません、お金の計算をするときには、どうしても「間違えないように」「ミスの無いように」という思考になります。自分の脳内で自己と対話をしながら、「どうしてそういう思考をしているのか」にスポットを当てながら思考パターンを変えていくと、物事が良い方向に進んでいきます。