通信Vol.149(2016年10月)

 今年の秋は長雨でジメジメしていますね。こんな気候の時はコケ(キノコ)が豊作なのでしょうか?私はコケ取りをしないのでわかりません。匂い松茸、味しめじと言われますがどんなコケが好きですか?

 今回は「世界の中心で不満を叫ぶ」と題してお話ししたいと思います。

 自分の心と対峙してみると、世界が自分を中心に回っていると気付きます。地球は南北の地軸を中心に回っていますが、自分の生きている世界は自分を中心に回っています。これは自分だけが特別なのではなくて、誰もが自分中心の世界で生きて、自分が主人公の舞台を演じ、勝手に他人をエキストラに仕立てています。
そして自分の書いたシナリオ通りに脇役が演じてくれないと、腹を立てたり不平を言ったり、不満を抱いたりします。でも、よくよく考えてみればおかしな事だと思いませんか?
だって貴方も誰かに勝手に他人の舞台の脇役に配役され、セリフが違うとか立ち回りがおかしいと言われても、そんな脇役になったつもりがないからです。

逆に貴方の人生劇場ではどうでしょうか?無人島にでも行かない限り、1人舞台というわけにはいきません。毎日何十人、何百人という脇役と一緒に舞台を作り上げなくてはいけません。しかも、どんなに脇役が我が物顔で舞台の上を走りまわったとしても、主役は常に貴方自身です。

周りの人を悪役にして自分を悲劇のヒロインにするのか、色んな事を茶番にしてコント仕立てにするのかは主役兼舞台監督の貴方次第です。どんな内容の舞台にするかを決めると、面白いように周りの人達もそれに合わせて動いてくれるから不思議です。例えば悲劇のヒロインを演じようとすると、意地悪な姑役が現れて毎日グチグチ苛めるようになったり、自分が病気になったり、家族も不幸な役まわりを演じてくれたりします。自分が主人公のヒーロー物語仕立てにしようとすると、見るからに勝てそうな悪役が出てきたり、助けを必要とする人が出てきたりします。

勘のいい人は気付いているかも知れませんが、他人は貴方の人生劇場の脇役として動いているつもりはなくても、舞台監督の貴方が思い描くように悲劇や喜劇、感動ものの脚本に沿って動いてくれるから不思議です。正確には脚本に沿った内容に見えるというのが正解かも知れません。
どんな脚本を書いて、どんな舞台にしようが自分でどんな役を演じようが全く自由です。なんせ自分の人生劇場なんですから、やりたい放題やり切ったらいいんです。脇役のセリフがおかしいとか動きがおかしいとか、気に入らなかったら文句を言えばいいんです。相手からどう思われるかなんて気にしていたら人生は半分以上終わってしまいます。

でもこれだけは忘れないでいただきたい。他人はあなたの舞台の専属役者ではないということを。それぞれが自分の舞台の主役を演じながら、いくつもの舞台を掛け持ちしています。一家の主婦であれば、夫の舞台の妻役、子供の舞台の母親役、姑の舞台の嫁役を演じながら女性としての自分の舞台の主役を演じるわけです。
それぞれが自分主役の舞台で輝く瞬間が、本当に自分の人生を楽しめる瞬間ではないでしょうか。