通信Vol.150(2016年11月)

山々も紅葉で色づき、市街地でも鮮やかな紅葉が目立ち始めてきました。
 もう間もなく冬の到来ですね。個人的には雪のある冬景色はとても好きです。

今回は自己肯定感について考えてみたいと思います。あなたは自己肯定感を持っていますか?自己肯定感を持っている人は他人に対しても肯定的です。逆に言えば自己を否定するほど他人に対しても否定的ということです。

 自己肯定と他者肯定は両天秤のようにバランスをとっています。他人を肯定するためには、まず自己肯定感を高める必要があります。自己肯定感と聞くとどんな感情をイメージしますか?「自分は走るのが速い」「ち密な計算をさせたら誰にも負けない」「仕事の早さと正確さは社内の誰にも負けない」等々の○○は誰にも負けないとか自分の特技を自己肯定感に結び付ける人は多いのではないでしょうか?
 もちろんそういった自己肯定感も大切ですが、何かが出来ることで感じる自己肯定感には落とし穴があります。それは病気やケガなどで今まで出来ていたことが出来なくなったら、それまでの自己肯定感が総崩れとなってしまうのです。極端な例をあげれば「寝たきりになっても生きる意味がある」と思えるかどうかです。
何かが出来ないと自分を認められない人は、他人に対しても意味ある行動を求めてしまいます。意味ある行動が出来ない人は価値がないと思えてくるのです。何も出来なくても自分には生きる価値があると思えることが、本当の意味での自己肯定感です。
タレントの明石家さんまさんは、自分の子供に「いまる」と名付けました。名前の由来は「いきているだけでまるもうけ」からだそうです。何と素敵な名前でしょう。親はついつい子供に、勉強頑張りなさい、いい大学に行きなさい、ちゃんとした仕事に就きなさい、結婚しなさい、と色んなハードルを示しがちですが、生まれたての子供の顔を見た時や、子供が大病を患ったり大けがをした時にそんな事を考えたでしょうか?無事に生きてくれさえすれば、それだけで嬉しいと誰もが思ったはずです。私たちの父親や母親も、最初は自分の誕生や存在を手放しで喜んでくれたに違いありません。
物心ついたころから、自分で「○○が出来ないと自分は親から愛されない」とか「頑張らないと自分の存在価値がない」「どうせ自分は誰からも愛されない」と勝手に自分の自己肯定感を下げてきたのです。それはとても勿体ないことでもあります。
もっと根拠のない自己肯定感を感じてください。「自分は生きているだけで価値のある人間だ」「自分は世界にたった一人の人間だ」「自分は両親から愛されて育ってきた」と声を出して呟いてみてください。何か「カチッ」とスイッチが入った気がしませんか?