通信Vol.27(2006年8月)

 今年は、梅雨明けまでがとても涼しく、冷夏かも・・・なんて勝手な中期予報を立てていたら見事に裏切られて、連日のうだるような暑さにスーツ族(勝手にクールビズに反してホットビズを貫いています。理由は長くなるので又の機会に・・)としては、泣きが入りかけています。
 今回は、感情と行動の相関関係から、いかに自分の感情をコントロールするかということについてお話したいと思います。
 朝、職場に向かうときに「今日はテンション低いなー」とか「今日は何をやってもうまくいきそうな気がする」って感じることはありませんか?テンションが高い日はともかく、低い日はどうしていますか?出勤途中の車の中で好きな曲をかけたり、歌を歌ったり、好きな食べ物を食べてテンションを上げる人も多いと思います。
 私の場合は、テンションをあげること自体、無理だとわかっているので、無理にあげようとは思いません。ただ、テンションの低さを周りの人たちに悟られないように(それでも気付かれてしまうことはありますが)元気なフリをします。いつもより早く会社に行って、いつもより念入りに掃除をしたり、大きな声で挨拶をしたり、通常の2割増で仕事のペースを上げるんですね。するとどうなるかというと・・・お昼ごろにはテンションの低かったことも忘れて、いつもの調子以上のペースを取り戻しています。
つまり元気の良いフリをしているうちに、本当に元気が良くなってしまうんです。テンションが低い理由って、考えてみてもわからなかったり、自分ではどうしようもいないことの場合が殆どです。原因がわかっていれば、その原因を取り除いてあげればテンションはあがってくるはずなのですが、なかなかそうはいきません。例を挙げると子供の進学のことだったり、近所の奥さんとのモメゴトだったり、昨夜の夫婦喧嘩だったり、お客さんとのトラブルだったりと毎日ネタは代わりどおしです。だから、周りの状況を変えるより自分が変わった方が早いのです。
 しかし、自分を変えるといっても自分の感情をコントロールできる人は、ごく稀で殆どの人が自分自身の感情に振り回されています。わけもなくイライラして周りの人に八つ当たりしたり、彼氏(彼女)に振られたといっては落ち込んだり、逆に趣味に没頭すると無性に楽しくなる人も多いのではないでしょうか。私自身、感情を気候に譬えるなら夏のカンカン照り→超ハイテンションや、真冬の吹雪→超ローテンションに見舞われて一喜一憂を繰り返しています。出来ることなら春のポカポカ陽気の日が出来るだけ多くなったらいいなと思います。ではどうしたら、この「感情の猿」をうまく騙して、機嫌を損ねないようにいられるのでしょうか。
 私の好きな言葉の一つに「モーション(行動)は、イモーション(感情)を生む」という言葉があります。元気なフリをしていると元気になり、逆に悲しいフリや怒ったフリをしていると、心まで悲しくなったり腹が立ってきます。「それは逆だろう、感情が行動に表れるんじゃないか」という声も聞こえてきそうです。たしかにその通りです、だからこそ、それを逆手にとって行動で感情をコントロールしてやるのです。元気なフリをしていると「感情の猿」は、「あれ?俺、今機嫌良いんだっけ?」と勘違いしてだんだん機嫌が良くなってきます。逆に、誰かに対して腹がたったときに、感情をストレートにぶつけてしまうと「感情の猿」は調子に乗ってどんどんエスカレートして、歯止めが聞かなくなってきます。私も最近、感情がどんどんエスカレートして収拾がつかなくなる体験をしました。「感情の猿」は本当にくせものです。どうやら、この「感情の猿」をうまく手なずけることが、上手に感情コントロールをする鍵のようです。
 今日から「元気なフリ」「楽しいフリ」をしてみませんか?背筋を伸ばして、少し大げさに手を振って歩いてみて下さい。体中に元気がみなぎってきませんか?