通信Vol.32(2007年1月)

新しい年が始まって早や半月経ちましたね。1年の24分の1が終わったのですが、時の経つのは早いですね「光陰矢の如し」とは良く言ったものです。
最近テレビのニュースを見ていたら、東京で2件のバラバラ殺人の話題をやっていまして、何気なく聞いていたら、しきりに「エリートサラリーマン」とか「富裕階級の家族」といった言葉が出てきました。よく聞くと1件は年収数千万円の外資系証券会社サラリーマンが妻に殺害されて、ノコギリでバラバラにされて路上に放置された。もう1件は歯科医の家族で兄が妹を殺害してバラバラにした。どちらも収入や生活レベルで言ったら平均以上であることは容易に想像できます。しかし、どちらの家族にも不幸な結果が起きてしまったわけです。
誰でもお金がこれだけあったら幸せだとか、財産が無いから不幸せだとか考えます。確かに収入は多いほうがありがたいし、財産は無いよりあったほうがいいという人も多いでしょう。しかし、先の事件を引っ張り出しても、「お金」=「幸せ」では無いことが明らかです。
それでもお金が・・・という人に試してみて欲しいことがあります。まず銀行へ行って貯金を全部下ろして下さい。なければ銀行からお金を借りてもいいですが出来るだけ沢山の現金を用意して、バッグに詰めて街に出てみてください。あなたは一時的にですが大金持ちです。バッグの中には何十万円(何百万円?)も詰まっています。お金持ちとはこうゆうもんだと満喫できますね。色んな物が買えると思ったら幸せな気分にひたれるでしょう。でもこんな気持ちは出てきませんか?「誰かに盗られたらどうしよう」「交通事故にあったらどさくさにまぎれて誰かにネコババされないだろうか」「食事に行って置き忘れたらどうしよう」周囲の人がみんな泥棒に見えたり、今まで経験したことのない心配のタネが出てきませんか?
お金を持つと言うことは、こうゆう心配を毎日しなければいけないということです。
夫を殺してバラバラにした妻は、普段から人格を否定されるような言葉を言われたり暴力を振るわれたと言っています。それが本当ならば、この夫は他人から羨まれるほどの収入や地位を得たにもかかわらず、幸せな人生だとは感じていなかったのでしょう。つまり生活の成功者ではあったけれど、人生の成功者ではなかったともいえます。
生活の成功者とは、欲しいものを買えたり、財産を増やしたり、生活の安定を実感できるということです。それに対して人生の成功者とは、人間に生まれてきてよかったと感じられる、色んな人(事)に感謝できるということです。あなたならどちらの成功者になりたいですか?生活の成功者になれる人は限られています。皆が億万長者にはなれません。株の世界では誰かが儲かるためには、誰かが損をしなければなりません。生活の成功は誰かと比べて感じる相対的な幸せ感です。それに対して人生の成功とは、誰とも比較しないで感じられる絶対的な幸せ感で誰でも得られるものです。
ネイティブインディアン達の間で言い伝えられる幸せな死に方というのがあります。人間は生まれてくるとき自分はワンワン泣いて周囲の人は笑っています。逆に死んでいくときは、周囲の人がワンワン泣いて自分は笑って死ぬのが正しい死に方だと言われています。どうですか?自分の人生を振り返って幸せな人生だと言えそうですか?どうしたらそんな人生が送れるのでしょう。一つだけヒントを差し上げます。「あなたの命はあと3日です」と宣告されたら何をしますか?それがあなたが今一生懸命やるべきことなのです。