通信Vol.31(2006年12月)

 日に日に寒くなってきていよいよ冬に突入ですね、冬支度はおすみでしょうか?この通信が御手元に届く頃には、我が家の雪囲いも終わっていることでしょう(希望的観測?)
 今回は「シンプルに生きる」と題してお話したいと思います。シンプルに生きると何が良いかって?ここでひっかかる人は既にシンプルじゃない(笑)
シンプルに生きると、色んなものが集まってきますよ、人、物、お金・・・etc何よりあなたが幸せになれるはずです。
『シンプルに生きるためのその①』
まず手始めに、周りに起こる出来事を『こうなる運命なんだなー』と思って見ましょう。なるべく腹を立てないように、自分の常識の型にはめないように。
仏教では正見(しょうけん)を教えられます。正見とは物事を正しく見るということです。昔、一休という禅僧がいました(あの有名な一休さんです)。ある時一休は、大きな松の木の前にこんな札を立てました
「この松を真っ直ぐ見た者に金十両を与える 一休」
たちまち黒山の人だかりが出来て、色んな方向から真っ直ぐに見ようとしましたが、くねくね曲がった松の幹はどう見ても真っ直ぐには見えません。そこへ通りかかった蓮如という本願寺門主(浄土真宗の御仏壇の左に掲げてある方)が「ようし、わしが一休の所へ行って十両もらってこよう」と言って一休の所へ行くと「看板の裏書を見なんだのか、本願寺蓮如は除くと書いてあっただろう」と言って笑いました。二人は旧知の仲だったのですが、この問題の答えは、「曲がった松だなあ」と見ることが正見(真っ直ぐに見ること)なのです。なんだ、そんなことかと思われましたか?なかなか日常生活の中で正見って出来ないですよね。
今日こんなことがありました。昼食に宅配の弁当を頼んでいるのですが、配達の人のミスか弁当が1つ足りなかったんですね。あなたならこんな時どうしますか?電話でクレームをつけて持ってこさせますか?御互い嫌な思いをして、しかも遅れて届くであろう弁当をイライラしながら待ちますか?それとも、気分を変えて外食を楽しみますか?起きてしまった事で誰かを責めたり、喧嘩をしても過去には戻れないのです。それよりも「この出来事は何かを知らせる為の、必然的なことなんだなー」と考えてみると、クヨクヨ、イライラ考えなくても済むのです。人生で不必要な出来事は1つも無いのです。すべては今の自分の為に必要な出来事なのです。
『シンプルに生きるためのその②』
 自分がして欲しいことを他人にしてあげる。して欲しくないことはしない。
 先日、骨髄ドナー登録をしてきました。理由は簡単、自分が白血病になったら骨髄移植して欲しいから。
自分がして欲しいことを他人にしない、自分がされたら嫌なことを他人に対してやるという矛盾は自分の中に沢山あります。(あいだみつを風に)人間だもの矛盾があっていいじゃないかとも思いますが、自分の矛盾に気付くか気付かないかは大きな違いがあります。矛盾だらけの自分だと知れば自然と謙虚になるものです。ことわざにも言うじゃないですか「実るほど頭を垂れる稲穂かな」って。人に意見を言う前に、自分が出来ているかな?自分がこうされたら(言われたら)どう思うかな?って1回立ち止まって考えてみませんか。ずいぶん穏やかな世の中になると思うのですが。