通信Vol.67(2009年12月)

いよいよ師走ですが、今年は何だか少し暖かいような気がして、庭の雪囲いも途中で止まったままです。
財団法人日本漢字能力検定協会が公募で選んだ、今年を表す漢字は「新」だそうですが、皆さんの一年を漢字一字で表すとしたらどんな漢字ですか?

 今回は「陽と陰」についてお話したいと思います。
 物事には「陽」と「陰」が存在します。言葉を変えるなら「プラスとマイナス」「表と裏」ということです。

 子供の頃、棒磁石で遊んだことが誰でもあると思います。片方がN極、もう片方がS極の棒状の磁石です。この棒磁石を真ん中で切ってS極側とN極側に分けたとしても、それぞれにS極N極が出来ます。
コインも同様です。どんなコインでも裏と表があります。裏と表の間を薄くカットして二枚にしてもやはりそれぞれに表と裏が出来ます。

全ての物事にも同じように陽と陰があるように思えます。

先日ノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領は、核廃絶の世論の呼び水となった事は確かですが、一方で世界最大の核兵器保有国の大統領であり、アフガニスタンへの兵力増派を決めた最高指揮官という一面も合わせ持っています。平和の主導者という陽の顔と、戦争の指揮官という陰の顔を合わせ持っているわけです。

私たちの身近なところではどうでしょうか?地球環境の為にという理由でハイブリッドカーを購入していても、買い物に出かけるのに自転車ではなく自動車に乗って出かけてしまう。本当に地球環境を考えているのならば、出来るだけ車は使わないほうが良いのに、自分の便利さは犠牲にしたくないという思い。
自分になついてくる人は可愛がるけれど、なつかない人には意地悪をしてしまう。他人には感謝するけれど、他人から感謝されないと無性に腹が立つ。動物愛護をうたっているけれど、焼肉は大好き。他人を攻撃するけれど、自分に甘いのに気付かない。etc・・・・

あげればキリがありませんが、どうも陽と陰とはセットのようですね。

 物事の「陽の部分」に注目する人を「プラス思考の人」、「陰の部分」に注目する人を「マイナス思考の人」と言うことが出来ると思います。物事は自然にバランスが取れているので、100人の人が居たら、半分はプラス思考の人、半分はマイナス思考の人かもしれません。
物事には陽と陰、どちらの部分も併せ持っているのですから、どちらが正しいという事は出来ませんが、陽の部分、陰の部分を見つけてバランスが取れていることに気付くと、今まで出来なかった考え方が出来るようになります。

他人の不祥事には、正義感を振りかざして鬼の首を取ったように騒ぎ立てるのに、自分の不始末は全部秘書になすり付けている政治家の皆さんをテレビで見ていると「陽と陰だなー」と妙に納得してしまいます。
 皆さんも腹が立つことがあったら、陽の部分と陰の部分を探して見ませんか?探しているうちに腹立ちもおさまったりして(笑)