通信Vol.70(2010年3月)

今年はドカ雪に煩わされましたが、平均気温が高く雪解けも早いようです。
 
 今回は「物事の目的」についてお話ししたいと思います。
「目的」とは一言で言うならば、何のためにやるのかということです。

「車に乗るのは何の為?」と聞かれれば、「買い物に行く」「通勤」「ドライブ」「病院に行く」「友達と食事に行く」etc…と答えるでしょう。
「目的」を果たしたならば用をなさなくなるものが「手段」と言えるものです。買い物に行くためにスーパーマーケットに着いたなら必ず車から降ります。車に乗ることが目的ではなくて、買い物に行くための手段だから、お店に着いたら、手段である車に乗る必要がなくなるからです。
 携帯電話が恋人と会話をするための手段なら、実際に恋人に会って、「会話」という目的を果たしている時は、携帯電話を使いません。目の前にいる恋人に携帯電話を使って会話をしようとしたら、おかしな人と思われるでしょう。
 職業選びでも、お金優先なのか、家族と過ごす時間が優先なのか、仕事のやりがいが優先なのかで選ぶ職業も変わってきます。

 私たちは普段、意識していなくてもちゃんと「目的」と「手段」を使い分けているのです。

 「目的」と「手段」どちらも大切ですが、「目的」があってはじめて「手段」が重要になってきます。まずは「目的」を明確にすることが大切です。

 10年間で総額1兆円分の公共事業の改善に乗り出し、2000億円分のコストカットを実現させた改善コンサルタントの横田尚哉氏は事業プロジェクトが「誰の為か」という目的に主眼を置いて事業を細分化し組み立て直すことによって、低予算で目的を達成する手法をとって成功率100%という成果をあげています。何が目的(変えられないもの)で何が手段(変えられるもの)かを認識することが大切なのです。

 「芯の通った人」「考えがぶれない人」とは社会的地位者やリーダーシップを取る人に求められる言葉ですが、他人から何を言われても自分の意見を曲げない人のことを「芯の通った人」と言うのでしょうか?
物事の「目的」を変えないということが「芯が通る」「考えがぶれない」というのでしょう。「目的」も「手段」も変えられない人は「芯の通った人」ではなくて「頭の固い人」です。

 私生活で四六時中なにが「目的」か「手段」かなんて考えていたら頭が痛くなってきますが、何か問題にぶつかったとき、職探しに迷ったとき、人生に迷ったときに、物事の「目的」「手段」を整理すると解決の糸口が見つかるかもしれませんね。


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