通信Vol.76(2010年9月)

毎日、暑い日が続く中にも、少しずつ秋の気配が漂っています。空気の匂いで季節を感じる僕は秋の匂いが一番好きです。
 
 今回は「熱い人」「冷めた人」と題して自分自身を見つめてみたいと思います。
「熱い人」と聞くと「夢を語る人」「みんなに積極的に色んなことを働きかける人」と思われるかもしれませんが、僕の「熱い人」の定義は少し違います。どんな人が「熱い」のかというと、「ダメもとで色んなことにチャレンジする人」です。スポーツに例えると、野球ならグローブが届くか分からない打球にも走って飛びつく人、スノーボードなら成功率の低い大技に決勝でトライする人などです。
逆に「冷めている」とは、「どうせそんな打球追いつくはず無いから、走るだけ無駄」「決勝で大技にトライして優勝目指すより、2位を確実に取る」という考え方です。もちろんスポーツの世界に作戦は付き物ですから、体力を無駄に消耗させたり、確実に入賞した方がいい場合もあります。ですから「冷めた考え方」が悪いと言っているのではありません。僕個人としては「冷めた人」より「熱い人」が好きだということです。技術の有る無しより、勝負の強さより、知名度より「熱い人」を応援したくなるんです。
 何故かと言えば、「熱い思い」が起業家マインドに通じるからでしょうね。ビジネスの世界にチャレンジはつきものです。チャレンジなくして前進はありません。当たるか当たらないか、成功するか失敗するか、売れるか売れないか、儲かるか損するか、そんなことはやってみなければ誰にもわからないのです。ナイキ(アメリカのスポーツ用品メーカー)のCMにもあるじゃないですか「Just do it!」(つべこべいわずに、とにかくやってみろ!)って。

 僕は昔から、ダメだとわかっていても1回はやってみないと気が済まない性分です。だから失敗も人一倍多いです。もちろん資金的な問題もありますから、お金がかかることは出来ることと出来ないことがありますが、お金をかけずにチャレンジできることは何でもやってみる派です。それが例え失敗に終わったとしても後悔はしません。その道程すべてが自分の糧になると思うからです。
「天才とは1パーセントのひらめきと、99パーセントの努力である」と言ったのは、世界の発明王トーマス・エジソンです。目的達成の為には数多くの失敗が付き物ですが、失敗があるからこそ成功に近づけるのです。99回の失敗は1回の成功の為にあるということです。
僕は今でも飛び込みの営業活動をしていますが、何件も断られてようやく40件目で仕事がとれるという事がよくあります。見方を変えれば、その位ハズレを引かないと1枚の当たりを引けないということです。最初から当たりを引ける方法があるのでしょうか?そんな方法があるなら宝くじは成り立たないでしょう。
でも世の中には「冷めた人」も一定数居ます。「そんなのやる前からダメだって分かってる」「チャレンジするだけお金も時間もムダ」 そんな人に僕は言いたい 「吐くと分かっている息を何故吸うのですか?」「どうせ明日にはトイレで同じような色形で出てくるのに、美味しい物を食べる必要があるのですか?」と(笑)
「いつかは3億円当てるぞ!」と意気込んで宝くじを買い続けている人が、微笑ましく見えるのはハズレくじと分かっていて、大枚はたいているからではないんですね。「いつかは3億円」と夢をあきらめないでドンキホーテのように突き進むからでしょう。エジソンも失敗が好きで発明をしていたのではありません、成功を追い求めていたからこそ失敗が光輝くのです。成功を追い求めているうちは、失敗は輝き続けます。成功をあきらめたとたん失敗は光を失ってしまいます。

僕も死ぬまで目的に向かって走り続け、光輝く人生でありたいと思います。