通信Vol.83(2011年4月)
暦の上では大分前から春ですが、飛騨では梅や桜が咲く4月に入ってからでないと春を感じられないですね〜 庭の梅の蕾も大分ふくらんできました。
今年度も沢山の気付きを皆さんにお伝えしていきたいと思います。
先日、ある男性スタッフさんと初めての職場に見学に行った時の事です。彼(H君)の初対面での印象は真面目で無口な青年といった感じでした。一台の車で同乗する事になっていたので、内心「話題に詰まりそうだなー、沈黙辛いな〜」なんて思っていました。(H君ゴメン)
しかし話し始めてみると、意外にも(?)丁寧に趣味や家族の事を話してくれました。その上、自分が質問された事を、僕に質問して来たのです。コミュニケーション心理学に、自分が聞かれたことを相手にも尋ねるという手法があります。彼が意識していたか否かは知りませんが、正にセオリー通りのコミュニケーション術だったのです。彼の隠れた(?)コミュニケーションの才能に感激してしまいました。
ここで一つの詩を紹介しましょう。
『こだまでしょうか』 金子みすゞ
「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう。
「ばか」っていうと 「ばか」っていう。
「もう遊ばない」っていうと「遊ばない」っていう。
そうして、あとで さみしくなって、
「ごめんね」っていうと 「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、いいえ、だれでも。
先月からTVで何度も流れているので、聞き覚えのある人も多いと思います。
実はここにコミュニケーションの基本が隠されています。コミュニケーションが上手い人というのは、無意識のうちに相手に同調する動きをしています。何か特別難しいテクニックではありません。
「コミュニケーションの下手な人」=「他人と打ち解けにくい人」というのは、無意識のうちにこれと全く逆のことをやっています。「ありがとう」と言われたら「はい」、「さっき食べたラーメン美味しかったね」と言われても「そう?」と素っ気ない返事をする、「いい天気だね」と
言われたら「暑いのは嫌い」と水を差す。無意識のうちにこんな言葉を発していませんか?
僕も言ってしまった後に「しまった!」と後悔することが度々あります。
実は僕もコミュニケーションが下手なんです(^_^;) 特に身近な人(家族等)と話す時は、緊張していないせいか、タブー(禁句)を連発してしまいます。
だれかに「ありがとう」と言われたら「こちらこそありがとう」と返してみましょう。
だれかに「出会えてよかった」と言われたら「私もあなたに出会えてよかった」と言ってみましょう。「美味しいね」と言われたら「美味しいね」と応えましょう。でも嫌な言葉を言われたらスルーしましょうね(笑)
金子みすゞの詩を思い出しながら、もう一度自分のコミュニケーション力を見つめなおしてみませんか?