通信Vol.93(2012年2月)

 今年は北陸や東北、北海道で大雪に見舞われていますが、テレビニュースを見ていて昭和56年の豪雪を思い出した人も多いんじゃないでしょうか?当時私は中学生でしたが、かなりの雪の量に自然の恐ろしさを感じた記憶があります。
 今回は、なぜ企業は社員を採用する際に学歴を重視するのか?ということについてお話ししたいと思います。
 飛騨地方では学歴重視の求人はあまり見かけませんが、大企業や上場企業ともなると学歴重視の企業が殆どです。では学歴はそんなに大切なのかということですが、世の中の流れが学歴重視になっている以上、大切か否かを論じる意味が無いのでここでは止めておきますが、何故企業は学歴を重視するのでしょうか?
 実は、企業が欲しいのは学歴ではなくて、大学受験や大学卒業のために使ってきた脳力なのです。人は難しい勉強や、中々解決できない問題にぶち当たって一生懸命悩むと脳の神経細胞にネットワークが出来ます。脳のニューロン神経細胞)とニューロンの間で情報を伝達することにより、物事を判断したり記憶したりしています。1個の脳細胞から伸びるニューロンは実に3万個から10万個といわれます。このニューロンニューロンを結ぶのがシナプスという情報伝達物質で、このニューロンシナプスのネットワークこそが脳力の正体です。ニューロンが発達し、シナプスが増えると色んなアイデアが出てきたり、今まで出来なかったことが出来るようになったりします。例えば、ある問題を解決しようと試行錯誤を繰り返していたら、ある日突然、天から降って来たように解決方法が見つかることがあります。脳には自分でも気付かない素晴らしい能力が備わっているようですね。
 学校で勉強するのは、脳を使うことによって脳細胞を活性化させ脳力を鍛えるのにとても大切なことです。だから数学や物理の授業などで、社会に出てほとんど使わない微分積分相対性理論をやる意味があるのです。学校は社会に出るための脳のトレーニングセンターなのです。難易度の高い学校ともなれば、遊びたいことも我慢しながら勉強に取り組まなければ合格しませんから、目的達成能力や忍耐力といった点でも評価できるようになります。

 学生時代、あなたの周囲にこんな人は居ませんでしたか?「私は就職するから、平均点とれればいいから勉強しないんだ。落第しなけりゃいいよ。」勉強しない為の言い訳ですが、もっともらしく聞こえますよね。でも本当は違うんです。進学する人は次の学校で脳のトレーニングが出来ますが、就職する人は今しか脳のトレーニングをする機会がありませんから、進学する人以上に勉強しなければならないんです。
 学歴は、脳力を推測する一つのバロメーターです。学歴を取り戻すのは容易なことではありませんが、脳力アップは今からでもすぐに出来ます。新たなことにチャレンジしたり、難問題に向かっていくことによって脳力はアップできます。脳力アップに取り組んでみませんか?