通信Vol.104(2013年1月)

今年の正月は雪も少なく、除雪や屋根の雪下ろしを心配していた方は、ゆっくりできたのではないでしょうか?このまま春が来てくれることを切に願っています(笑)

以前から何回か「自分を知る」ことの大切さについてお話してきましたが、今回も自分を知るということについてお話ししたいと思います。

なぜ自分を知る必要があるのかと聞かれたら「人間社会の中で生きているから」という一言に尽きると思います。自分が感じている他人の問題は、自分の内面に起因することがありますし、自分を知らずして他人を評価することも又難しいと思います。
具体的な例をあげると、列車で向かいの席に乗り合わせた女子高生が、自分の目の前で今まで見たこともないようなド派手メイクをして、だらしない服装をしているのを見た時に不快に思ったとしたら、その不快の原因は目の前の女子高生でなくて、自分の心が原因だということです。
私の私的なケースを例にあげると、先日、家で餅つきをした時に子供達に手伝いを頼んだのですが「勉強が忙しい」「宿題が・・」と理由をつけて断ってきました。
私の胸の内は「どうして手伝ってくれないんだ!」「お年玉減額だ!」(笑)と悶々とするわけですが、最初から手伝ってもらおうと思っていなければ、腹も立てずに済むわけですが、勝手に「子供は親の仕事を手伝ってくれるもの」と期待しておいて、「断られた!」と腹を立てているわけです。私の怒りの原因は、勝手な「期待」と「期待通りに応えてくれない子供達」なわけで、子供達が原因ではないから、横にいる嫁は腹を立てていないのです。自分を知ることが、色んな悩みや怒りの解決に繋がる手段だとも言うことが出来ます。

これで少し自分を知ることの必要性がわかってもらえたでしょうか?では次に「自分」はどんな「自分」なのかが問題となってくるわけです。
私たちは接する人によっていろんな「仮面」を使い分けています。「夫の仮面」「妻の仮面」「客の仮面」「良い人の仮面」「地域向けの仮面」「会社内での仮面」等々、仮面なしの本性丸出しでは生きていけないのです。その中でもスッピンに近いのが親に対する「子供の仮面」だと言えます。何故なら、言いたいことを言ったり、我儘を貫いても、関係の壊れにくい親に対しては、自分を飾る必要があまりないからです。
配偶者や子供に対しては、まだ少し損得勘定があるので、少し飾った自分を見せているかもしれません。

自分が親に対して見せている姿が本来の自分に一番近い姿ですから、好きな人が出来て結婚を考えるならば、一度相手の両親の前で相手がどんな顔を見せているのかを見極めるのは重要だと思います。相手の両親に挨拶をするというのは建前的な理由で、本当は両親の前でどんな本性をさらけ出すのかを見極める為に、慣習的に結婚前に相手の親に挨拶に行くようになったのかも知れませんね。

自分でも普段の顔と全く違う面を親に見せていることがあると思いますが、それがスッピンに近い自分の素顔です。自分でもその姿にビックリするかもしれませんが、自分のそのままの姿を受け入れることが幸せへの第一歩です。