通信Vol.116(2014年1月)

 今年はドカ雪もなく、穏やかな新年を迎えることができました。
みなさんは、どんな正月を過ごされましたか?
 世間では9連休の人も多かったようですね。人は働きすぎるよりも、休みすぎることで調子がおかしくなるといわれますが、9日も休むと仕事モードに戻るまでに少しリハビリが必要になるかもしれませんね。

 今回はコミュニケーション(意思の伝達)とネゴシエーション(交渉)ということについてお話したいと思います。
 私はどちらかというと直感人間で、結論をすぐに求めるのでコミュニケーションをとりながら物事を進めるのが得意ではありません。「結論のない会話は意味がない」と長い間思っていました。でも最近になってようやく、意味が無いような会話にも十分意味があると思えるようになってきたのです。
人は世の中の出来事を見たときに自分の色眼鏡で物事をとらえ自分の心で勝手にストーリーを作っていろんな妄想を抱いています。周りの人とコミュニケーションをとらないと、自分の中で妄想だけがどんどん膨らんでいってしまいます。その結果、他人を誤解したまま腹を立てたり勝手な期待をして勝手に裏切られた気分になったりします。自分の思いを語ったり、雑談の中で相手がどんなことを日々思っているのかを感じ取ったりどんなことを大事にしているのかを知ることは、円滑な人間関係を築く上でとても大切なことです。
コミュニケーションをとるということは、言葉をかえると、相手に興味を持つということです。相手の表面的な言葉だけを聞いて判断するのではなく、その言葉の裏に隠された感情を感じ取るのです。一流と言われる人たちは、大概コミュニケーション力に長けています。経済界でも政界でも、芸能界でも一流を極める人ほどコミュニケーション力があるのです。もうひとつ付け加えるならば、コミュニケーションは質より量です。会話の中身が素晴らしい人より、会話の回数が多い人の方が相手との縁が深まります。もっとも機関銃トークで相手に聞かせっ放しでは、コミュニケーションとは言えませんので、あくまでもキャッチボールのように相手の言葉を使ってその内容について言及することが基本です。

 コミュニケーションと並んで大事だと思うのがネゴシエーション(交渉)です。お店やレストランで自分が注文したものと違ったものが出てきたり、思うようなサービスが受けられない時に多くの人は強い口調でクレームをつけます。
 しかし、ネゴシエーション力のある人は、自分がいかにお店に期待をしているのかを伝え、自分がその期待を裏切られ、がっかりしているのかを伝えることによって相手に改善を求めます。相手を批難したり、罵ったりしてもその場しのぎの結果しか得られません。長い目で見て自分に有利なサービスを受けようと思ったらそれが得策ではないことが逆の立場になって考えればすぐにわかることです。そこまで大げさなクレームでなくても、お店などで「もっとこうしてほしいのに」という要望がある時に、腹を立てる前に、口に出して「こうしてほしいんですが」「○○してもらえますか?」と声に出して伝えてみましょう。意外と要求を受け入れてもらえることは少なくありません。相手も仏様ではありませんので「口に出して伝えないと、相手もわからないのです」相手とのコミュニケーションやネゴシエーションを最初から放棄して腹を立てることほど損なことはありません。