通信Vol.118(2014年3月)

先日のドカ雪も春の陽気ですっかり溶けて、桜の時期を待つばかりですね。ソチオリンピックも終わり、夜もぐっすり眠れるようになったのもつかの間、花粉が飛び始めて全身で春を感じている今日この頃です。

今回は物事のフォーカスというお話しをしたいと思います。フォーカスというのは、焦点ということです。今のデジタルカメラは殆どオートフォーカスで、自動でカメラがピントを合わせてくれますが、昔のカメラは手動でピントを合わせるものが多く、写真を撮るのに技術が必要でした。でも手動でピントを合わせるカメラの良い点は、自分が主として撮りたい対象物にピントを合わせて、その他をぼかすことが出来ることです。

自分の身の回りに起きる出来事や周囲の人を一枚の写真に譬えるとどうでしょうか?最近のデジカメの写真のように近いところから遠い景色までシャープに映し出せるとすると、あなたの心のスクリーンには良いことも悪いことも鮮明に映し出されます。楽しい旅行の記念写真ならばそれで良いのでしょうが、私たちの周りには自分にとって都合の良いことと悪いことが混在しています。それらをすべて鮮明画像で捉えようとすると、ストレスに感じることが多いはずです。
そんな風景写真のような画像ではなくて、ポートレートのように大好きなものに焦点をあてて周囲の景色をぼかした写真をイメージしてみてください。自分が好きなこと、好きな物、好きな人だけにフォーカスして、その他の景色はピンボケ&ノイズ(雑音)です。

おそらく多くの人は見たくないものを見て悩み、聞きたくないことに耳を傾けて腹を立てています。そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、よく夫婦喧嘩や恋人同士の喧嘩のタネになるのがパートナーの携帯です。携帯を覗き見て、見たくない内容に腹を立てている人が結構います。見て腹を立てるくらいなら見なければ良いのに、わざわざ喧嘩のタネを探しているのです。
テレビ局に番組内容のクレーム電話をかける人があると聞きます。どうして不快なテレビ番組を電気代を払ってわざわざ見ているのか首をかしげたくなります。クレームの電話をかける前にテレビの電源を切れば見なくてすむのです。

自分の機嫌を損ねるモノは見ないように、聞かないように出来れば、この世の中はいくらか住みやすくなるはずです。私たちの身の回りには不快な要素があふれています。
とはいっても会いたくない人に会わなければならなかったり、聞きたくないことを聞かなければいけない場面も数多くあります。

そんな時は何が不愉快なのか自分の心に聞いてみてください。意外かもしれませんが不愉快の原因は自分の心なのです。だって同じ人に接していても隣の人はあなたと同じ気持ちになっていないでしょうし、同じ言葉を聞いても友人と貴方では受け取り方も感じ方も全く違うのですから。