通信Vol.125(2014年10月)

先月末の御嶽山の噴火には驚くとともに、最近ブームになりつつある登山が危険と隣り合わせであることに身震いした人も多いのではないでしょうか。私も子供のころ父親に連れられて登山をしましたが、危険な岩場で何度か足がすくんだ記憶があります。

今回は「自分の脳に良い言葉を聞かせよう」と題してお話ししたいと思います。

貴方は普段どんな言葉を発していますか?
親しい人と話す時、ペットに喋りかける時、車を運転している時、誰かと喋ったり独り言を言ったり、口から発する言葉は一日どのくらいあるでしょうか?

「ありがとう」「愛してる」「嬉しい」「ごめんね」「感謝してます」「良かった」「楽しい」「ワクワクする」などの肯定的な言葉もあれば「腹立つ」「バカヤロー」「ムカつく」「死ね」「嫌い」などの否定的な言葉もあります。その中間で「そうなの?」「ふーん」「だよねー」「なるほど」などの中立的な言葉もあります。

もし貴方のすぐ横で他の誰かが喋るとしたら、どんな言葉を発して欲しいですか?

私は以前、食事に入ったレストランで隣のテーブルの客がよほど気に障ったことがあったのか、店の責任者を呼びつけて延々と罵声を浴びせている場面に出くわしたことがあります。その時は横で聞いている私も気分が悪くなって、食事が喉を通らなかった記憶があります。
その逆におばあちゃんが孫を優しくあやしている場面に遭遇すると、こちらまでほんのりと暖かい気分になってきます。

脳科学的には、人間の脳は主語を理解できないそうです。◯◯はダメな奴だ。あの人は、こんなところがダメなのよという言葉を聞かされた人は、○○が・・とかあの人は・・という部分が消えて、「ダメな奴だ」「こんなところがダメ」と自分が言われたと認識するのです。他人の愚痴を延々聞かされてぐったり疲れたり、他人の悪口を散々聞かされて体調を崩した経験はありませんか?
ダメージを受けるのは他人に言われた時だけではありません。自分の口と耳は別々のパーツですから、自分が発した言葉によって自分の耳から否定的な言葉を受け取り、脳がダメージを受けるのです。
ですから他人を褒める人は、同時に自分を褒めているのと同じことになります。他人の悪口を言ったり批判ばかりしている人は、同時に自分が悪口を言われたり批判されているのと同じことです。

貴方は褒められたいですか?けなされたいですか?私は褒められて伸びるタイプだと自覚しています。全米オープンテニスで準優勝した錦織選手が少年時代からテニス留学したニック・ボロテリーテニスアカデミーは、褒めて育成することで有名です。批判されたり叱られるのが好きな人より、褒められるのが好きな人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか?

まずは自分を褒めるつもりで他人の長所を見つけて褒めてみませんか?きっと自分の心がまったりと心地良くなってきますよ。