通信Vol.141(2016年2月)

 今回は世界は貴方が持っているパーツ(部品)で出来ている(ように見える)というお話しをしたいと思います。
 貴方が持っているパーツはどんなパーツですか?喜び?悲しみ?不安?希望?絶望?富?貧困?憎しみ?賞賛?尊敬?
 人はそれぞれ色んなパーツを心に持っています。毎日楽しく暮らしている人もいれば、腹立たしいことばかり起こる人もいます。笑いに包まれている人もいれば、怒りをまき散らしている人もいます。優しさに満ち溢れている人もいれば、原因のわからない不安に包まれて暮らしている人もいます。希望に満ち溢れている人もいれば、絶望の崖っぷちに立っている人もいます。
 人は自分が感じている感情を、他人も同様に感じていると思いがちです。たとえば毎日楽しく暮らしている人は、世の中の人も楽しく暮らしているように感じます。腹を立てている人は、世の中の人はみんな何かに腹を立てていると思っています。笑いに満ち溢れている人は、他人はみんな面白い人だと思います。怒りをまき散らしている人は、自分も誰かに怒られるのではないかと怯えています。他人に優しくできる人は、自分も誰かから優しくされると思っています。僕の好きな槇原敬之さんの「ずる休み」という歌の歌詞にこんなのがあります「人は必ず誰かに 愛されてると言えるよ だって僕は今でも君を とてもとても好きだから♪」自分が誰かのことをこんなに好きなんだから、人はだれかに愛されているに違いないという歌詞です。
 貴方はこんな経験ありませんか?「ハイブリッドカープリウス」を買おうと思って、カタログをもらってきたり、試乗したり、自動車雑誌を買って情報を集める。ふと気が付くと街中「プリウス」だらけ。今まで気付かなかったけれど、こんなにプリウス多いんだ!一番売れているってクルマって本当だな〜」と。誰でも一度は経験したことがある、自分が欲しいものは世間の多くの人が持っている(ようにみ見える)現象。自分が欲しいものは、世間のみんなも欲しいと思っているように思えてきます。
こんなこともあります。職場で大っきらいな上司のJ課長、どう見ても好きになれない。思い出しただけで虫唾(むしず)がはしる。会社中のみんながJ課長を嫌っているに違いない。でもそんなJ課長にも奥さんも子供もいます。蓼食う虫も好き好きなんて言葉がありますが人の好みはそれぞれです。どんな人でも10人中10人から嫌われる人もいなければ、10人中10人から好かれる人もいません。あなたが誰かに対して抱いている感情は貴方固有のものであって、いくら上辺は同調しているからといって他人があなたと同じような感情を抱いているとは限りません。むしろ反対の感情を持っていることの方が多いです。
 世の中を変えるのには、ものすごいエネルギーが要ります。よほど影響力のある人か政治家(それも大臣クラス)にでもならない限り世の中を変えるなんて難しいかもしれません。でも貴方の心の中を変えることは比較的簡単だと言えます。心の中が幸せな薔薇色で満たされれば、世の中は薔薇色に見えてくるのかもしれませんよ。