通信Vol.142(2016年3月)

 今回は、人生を自由に楽しく生きるための準備についてお話したいと思います。いろいろなシガラミを解き放すと自由自在に人生が送れます。

 現代はストレス社会と言われて、インターネットやSNS(ライン、ツイッターフェイスブックなどのソーシャルメディア)などで自由に意見を世間に発信できる半面、会ったこともない人から非難攻撃のターゲットにされたりもします。自分が周囲からどう見られているか、どう評価されているかを過度に気にしすぎる傾向があります。
 インターネットの世界で他人の評価や非難攻撃をさらりとかわしながら自由に発言することと、実社会で上手に人間関係を築きながらうまくコミュニケーションをとるコツは共通する点がいくつかあるように思います。

 その中でも重要だと思うのが、思い通りにならないこと(人)に対する耐性です。現代の人達は、すべての年代において思い通りにならないことへの耐性が脆弱(ぜいじゃく)だと言われます。
 世の中で自分の思い通りにならないことと聞いて、思い出すものは何ですか?自然現象、政治、経済、配偶者、子供等々いろいろあると思いますが、自然現象(気象、地震、天災)を相手に腹を立てている人が貴方の目の前に居たらどう思いますか?「こんなに雪が降りやがってこの雪雲め!」「地震のやつめこんな時にきやがって!」なんて叫んでいる人は居ません。叫んでもどうにもならないと分かっているからです。
 でもこれが相手が人の場合はどうでしょう?
 夫、妻、親、子供、会社の上司、同僚、部下、取引先の客、店の店員等々、自分以外の人はほぼ自分の思い通りにならないどころか、自分の事でさえ思い通りにならない場合が多いのです。相手の気持ちになってみれば分かりそうですが、誰かが自分の振る舞いにダメ出しをしてきても素直に聞けない人の方が多いのではないでしょうか。
では、なぜ天候の場合は、あきらめがつくのに、相手が人だと腹が立ったりイライラしたりするのでしょう。自分の相手に対する期待を裏切られたり、自分の価値観やルールと違った振る舞いをすることで自分の価値観やルールを否定されたような気持ちになるのかも知れませんね。
私たちの周りには、自分の思い通りにならない事象が日々現れます。電車に乗ったら隣の人が携帯を取り出してしゃべり始めたり、車で走っていたら自車の前に強引に割り込まれたり、仕事で理不尽なことを押しつけられたり、客から無理難題を突きつけられたり、次から次へと数えたらキリがありません。
友人との人間関係、夫婦の問題、家庭内の問題、嫁姑関係、会社での人間関係、客とのトラブル、店の店員とのトラブル等々私たちの周りの人間関係トラブルのほとんどが思い通りにならないことを、何とかしようと思って自分を苦しめているということがわかります。ではどうやって耐性を身につけるのかということなんですが、自分以外のことは自然現象のように見て、受け入れていく訓練を何回も積み重ねていくのが一つの方法です。
自分の思い通りにならないことへの耐性を身につけると人間関係のほとんどの問題が緩和し、逆に自分の思い描いた人生を謳歌出来ます。