通信Vol.143(2016年4月)

飛騨もようやく桜の開花で賑やかになってきました、野も山も春のよそおいです。観光客の足取りも心なしか軽く見えます。

 今回は、あなたにとっての「良い人」「悪い人」について考えてみたいと思います。
 あなたにとって「良い人」とはどんな人ですか?
・あなたに礼を尽くす人?
・あなたにプレゼントをくれる人?
・あなたの言うことを聞いてくれる人?
・あなたの意見を肯定してくれる人?
・あなたの気持ちをくんでくれる人?
逆にあなたにとっての「悪い人」とはどんな人ですか?
・あなたに失礼な人?
・あなたから物やお金を奪っていく人?
・あなたの言うことを聞かない人?
・あなたの意見を否定する人?
・あなたの気持ちをくまない人?

 私たちが他人を「良い人」「悪い人」と決めて分別していく基準は何でしょうか?人によって基準は色々あると思いますが、共通する部分は「自分にとって都合の良い人か否か」ではないでしょうか。
 あなたの自尊心をくすぐる人、あなたの欲求を満たしてくれる人、あなたの自己肯定観に同調してくれる人、あなたの味方等々、これらの人はあなたにとって都合の良い人となる要素を持っています。その逆の人は多分あなたにとって都合の悪い人なのではないでしょうか。
 ところであなたはどちらの人が好きですか?ほとんどの人は「自分にとって都合のいい人が好き」なのではないでしょうか。「好き」と「自分にとって都合の良い」こととは本来別物なのに、混同してしまいがちです。
 たとえば私は浜田省吾やMISIAの歌が好きですが、自分にとっては都合が良くも悪くもありません。聞いていると楽しかったり心が落ち着くのです。「好き」という感情は自己完結する感情です。彼らが私に向かって何か働きかけてくるわけではないので、私にとっては都合の良し悪しは関係ありません。つまり一人でニンマリというのが「好き」ということなのです。対して「自分にとって都合が良いか悪いか」は自分と相手の二人称のことがらです。
 好きだと思って結婚したけどこんなはずじゃなかったなんて場合は「好き」じゃなくて、相手があなたに気に入られようとして、あなたの都合の良いように振舞っていたので快適だっただけなのかもしれません。相手があなたを怒らせるようなことを言ったり、あなたの期待通りの言動をしなくても一緒にいたいと思えることが「好き」ということなのです。「好き」とか「嫌い」という感情はどちらも体力を消耗しますから、他人に対して「好き」とか「嫌い」と思ったら、もう一度自分の心に問いかけて「好き」なのか「嫌い」なのか「自分にとって都合が良い人」なのか「都合の悪い人」なのか良く考えて、切り離してみるとスッキリすると思います。