通信Vol.165(2018年2月)

今回は「物事にゴールを決めよう」と題してお話ししたいと思います。皆さんはこんな経験がありませんか?「仕事が終わってから趣味のサークルがある」「仕事が終わってから友達との飲み会がある」「家に帰ってから子供の誕生会をする」こんなときは、仕事の能率が上がって予定より早く仕事を終えることができた・・・。旅行に行くときも、まず最初に決めるのは旅行の日程と行き先です。小説や漫画の作家さんたちも最初に締切り日が決まっていて、その日に向けて創作活動に取り組みます。
先日会社のリフォームを依頼した工務店の会長とお話しをする機会がありました。入札から引越しまで3週間半というかなり無理なスケジュールでお願いしたにも関わらず、完成予定よりも早く工事を終えてもらったお礼を伝えると「期日が決まっている工事の方が現場がピリッと引き締まる。完成はいつでもいいよというのがダラダラして一番良くない」とおっしゃいました。工期が決まっていると、施主(私)に投げかけられる質問にも即座に答えなくてはならないので、私や下請け業者の方々等、関わる人たち皆にも迅速な対応が求められます。「急ぎの仕事は忙しい人に依頼せよ」とも言われます。

 生活すべてにゴールの日時を決めると言うのは、ストレスがかかりますから大変ですが色んなことにゴールを決めるというのは大事だと思います。ディズニーランドに遊びに行くとなったら、何時に現地について何時まで遊ぶのかというゴールを決めないと何時に出発するのか?交通手段は?予算は?すべてが決まりません。逆にゴールが決まると目的達成するための手段にはそれほどこだわる必要が無いこともわかります。色んなことにこだわりすぎて物事がなかなか進まない人は、ゴール(目的)と道程(手段)を切り離して考えてみるのも一つの方法です。
 ビジネス書作家の千田琢哉氏は「仕事が速いから早く帰るのではない、早く帰るから仕事が速くなるのだ。」と言っています。千田氏はサラリーマン時代、退社時間を決めてから仕事に取り掛かっていたといいます。ゴールを決める習慣がつくと、仕事を完了するために無駄を省くことがどんどん習慣化していきます。
 こういう話をすると必ずあがってくるのが「仕事が速くて定時で帰る人より、仕事が遅くて残業をする人の給料が(残業代の分)多いのは納得いかない」という意見です。
 当然、目先の収入は残業をする人のほうが多い気がしますが、長い目で見ると仕事が速い人はどこでも引っ張りだこで、リストラの候補からは外されるでしょうし、空いた時間で自分磨きをすれば、将来の伸びしろも無限大です。人生はインプットに応じてアウトプットが決まるブラックボックスのようなものですから、仕事が速い人が損することは絶対にありません。予期せぬところから臨時収入があったり、重要なポストに抜擢されたり独立して成功した人は沢山います。大事なのは目先の収入にとらわれて腐ることなく、高みを目指すことではないでしょうか。