通信Vol.167(2018年4月)

春の高校野球で優勝した大阪桐蔭の根尾昴君(飛騨市出身)の話題で先日盛り上がりました。スポーツを観戦する楽しみって他人の頑張りに元気をもらえるからなのでしょうね。オリンピックや箱根駅伝高校野球などスポーツ選手の頑張りに元気をもらう人は多いです。自分はあまりスポーツ観戦をしないのですが、たまに見ると熱い気持ちが込み上げてきますね。

ここから今回のネタです。一昨年末に15年飼った犬が死んでからペットを飼っていなかったのですが、最近また犬を飼い始めました。久しぶりに犬の躾けをしていてわかったことをシェアしていきたいと思います。
犬の問題行動は犬の性格もあると思いますが、飼い主のしつけが大切だと言われます。子犬の時のしつけが大切だからとトレーナーに預ける人もあるそうです。しかし飼い主の元に帰ってきてから、又元の状態に戻ってしまうことがよくあるそうです。ここから分かる事は、問題行動の原因は犬でなくて飼い主側にあるということです。犬は人間の人間の言葉が理解できませんから、人間の声のトーンで感情を感じ取って振舞います。飼い主が強く叱るとシュンと小さくなったり、褒めると得意げになったりします。トイレ以外でそそうをして飼い主にかまってもらおうとすることもあります。嫉妬して飼い主以外に噛み付くこともあります。飼い主がいつも犬の機嫌をとるように振る舞うと、どんどんわがままになります。これらの行動から何がわかるかと言うと、犬にどう振る舞ってほしいかを考えて叱ったり言葉がけをしたりしてもうまくしつけられませんが、犬がどのタイミングでどう言われたら嬉しいのか、嫌なのかを考えるとうまくしつけられるのです。
例えば「オスワリ」を教えるのに無理矢理座らせて「オスワリ」と言ってもなかなか覚えてくれませんが、何かのタイミングで座った時に「オスワリ!よしよしいいぞ!」と撫でると覚えてくれます。トイレを失敗したときに叱るより、上手くいったときに「オシッコ!よしよし」と褒めると次も褒めてもらおうとがんばります。噛んだ時や吠えた時に何らかの反応をすると犬は人間が喜んでいると勘違いして問題行動がエスカレートします。つまり褒めるも叱るも犬にとっては飼い主とのコミュニケーションの動機付けになっているので、叱るのも回数が多いと効果がありません。
これらの事は人間社会にも見られます。以前、お医者さんに、アトピーの子供にお母さんがつきっきりだと余計痒がるので、夜は別部屋で休んだ方が良いと言うことを聞きました。子供は、お母さんが痒いところを掻いたりあやしてくれると、それが目的になって、さらに痒がって母親の関わりを要求すると言うのです。子供はもちろんそれらの行為を無意識に行っています。
思春期の子供が親の愛情が欲しいと言う理由で非行に走るのはよくあることです。親代わりに先生やお巡りさんが深く関わることによって非行から立ち直ったと言うのは、子供が求めていた愛情を親代わりの人が与えてくれたことによります。非行に走る子供たちは自分が愛情不足だとは認識していませんが、心で思うことが行動に現れます。
最近は少なくなりましたが、暴走族が爆音を轟かせで迷惑行為をするのも、そうすることによって社会から関わってもらえるからなのです。手段が反社会的なだけで、社会に求めているのはスポーツ選手や芸能人たちと変わりありません。 問題行動をやめさせるには、どうしてその行動をとるのかと言う根本的な原因に目を向けに向けなければ解決になりません。本人にどう振る舞わせるかの前に、本人にどう関わるかが大切なのですね。