通信Vol.168(2018年5月)

GWも終わり野山の新緑がまぶしい季節になってきましたね、梅雨のジトジトは嫌いですが、雨にぬれる新緑はみずみずしくて心が落ち着きますね。

今回は自分を大切にしようというテーマでお話したいと思います。あなたは自分を大切にしていますか?
そりゃあ自分が大切だから大事にしているよと答える人も多いと思いますが、食べすぎが止められない、タバコが止められない、お酒を飲みすぎてしまう、不摂生が止められない、他人のことが大切に出来ない、なんて人は心から自分を大切だと思っていないのかもしれません。
食べ過ぎやタバコお酒を、健康を害するほど摂取してしまう人は、自分の身体を犠牲にして何かを得ようとしているのかもしれません。たとえば親の愛情、パートナーの愛情、周囲の人からの愛情などです。子供のころ怪我や病気で具合の悪い時しか親からの愛情を感じられなかった人は、自分の身体を犠牲にしてでも相手からの愛情を引き出そうとします。もしそんな思考癖の持ち主でしたら、自分の身体を犠牲にして相手から何かを引き出すよりも、自分の最大の味方が自分自身だということを自覚することが必要です。自分自身の一番の理解者は自分自身ですから。
 思春期の私がそんな思考癖の持ち主でした、親とのコミュニケーションが苦手で自分から親に打ち解けることが出来ず、親も放任主義で結構ほったらかしで育てられたので、自分に関心を持ってほしくて、未成年なのに飲めない酒を飲んだり、タバコを吸ったり、無免許で車を夜な夜な乗り回していました。もちろんその当時は自分が親の愛情が欲しくてそんなことをしているなんて自覚はありませんでしたが。
 愛情が欲しい時だけでなく、相手へ怒りをぶつける方法としても自分を痛めつけることがあります。いじめによる不登校や自殺など、相手への最大級の抗議の手段として自分の命を引き換えにしてしまうこともあります。時には病気になったり精神を病んだりすることもあります。
 愛情を得ようとする時、相手へ抗議しようとする時、両方に共通するのは相手を変えようとする思考です。実はこの「相手を変えようとする考え」がいろんな場面で苦しみの元となります。エリック=バーン(カナダの心理学者)は「過去と他人は変えられない。しかし、いまここから始まる未来と自分は変えられる。」と言っています。
 相手から得られないことに不満を感じたり、相手からの言葉に傷ついた時に真っ先にやらないといけないのは自分の心のケアです。自分の心の傷の手当に最大限の力を注ぐべきです。自分を大切にできない人は他人を大切にすることが出来ません。持っていないものを他人に与えることが出来ないのです。他人を大切に出来なければ他人から大切にされることもありません。人間関係は双方向ですから、どちらか一方からだけ大切にしたりされたりするということは滅多にありません。
 ですから自分を自分で大切にしたり他人から自分を大切にしてもらうようにするには、自分を大切にすることが最大優先事項なのです。あなたの一番の味方はあなた自身ですから。