通信Vol.133(2015年6月)

 夏日が続いたと思ったら、急に涼しくなってファンヒーターをもう一回出してきたなんて人も多いのではないでしょうか?ここ最近暑くなったり寒くなったりで、着る服を選ぶのにも天気予報とにらめっこです。

 今回はAKB48のお話しから始めてみたいと思います。私はAKBファンというわけではないですが、彼女たちが持つパワーの源は不思議としか言いようがありません。AKBのメンバーというのは、特に目立った個性があるわけでなく(あくまで個人的な主観ですが)どこにでも居そうな10代の女の子の寄せ集めというグループです。しかしこの普通の女の子のグループがとてつもないパワーを持っているわけで、日本屈指のアイドルグループとして君臨しています。私はスーパースターとかドリームチームというのがどうも好きではありません。勝って当たり前、強くて当たり前というのが面白みに欠けるからでしょうか。
 二流選手の集まりが、一流チームを倒すのを見ると心から応援したくなります。私自身二流の人生を歩んできたせいかも知れません。高校を卒業してからは、親元を離れたい一心で関東の大学の2部(夜間)へ通いながらアルバイトをしました。しかし、アルバイトに没頭しすぎて大学は中退です。その後も何度か転職しながら現在に至っています。高校時代の同級生は国公立大学へ進学して、公務員や上場企業に就職して転職もせず現在に至っていますから、彼らから見たら私は二流(三流?)の人生を歩んでいます。
 でも二流、三流だからって卑屈になる必要なんて全くないんです。その場所で輝ける存在になることで簡単に逆転できるからです。
 東京ディズニーランドへ行ったことがある方も多いと思いますが、ディズニーランドのキャスト(従業員)は、一流大卒の人もいれば、中卒、高卒の人も沢山います。でもディズニーランドのキャストたちは皆いきいきと働き、そこへ来る人たちを魅了しています。彼ら彼女らは一流を超える超二流だと思います。
 落合博満さんは2004年から2011年まで中日ドラゴンズ監督として指揮を執り、すべての年でAクラス入りを果たし、4度のリーグ優勝、1度の日本一に輝きました。スーパースターと呼べる選手のいなかった中日ドラゴンズをここまで強くした落合監督の手腕には惚れ惚れします。超二流チームがスーパースターの揃った一流チームに勝てることを証明した監督の代表ではないでしょうか。
 一流チームを花畑できれいに咲き誇るバラに譬えるならば、超二流チームは、アスファルトの隙間に咲くタンポポです。たくましく、明るく、楽しく生きていける強さを持っています。一流がいいとか超二流がいいとか比べる必要は全くありません。一流は一流の良さがあり、超二流超二流の良さがあります。それぞれがお互いの良いところを見つけて尊敬し合えた時、初めてどちらも輝くのだと思います。