通信Vol.138(2015年11月)

市内の紅葉も見ごろを迎え、冬の足音が一歩々々近付いています。私は来週からタイヤ交換と庭木の冬囲いを始めようと思っていますが、皆さんは何か冬支度始めましたか?

 今回は「他人に迷惑をかけてみる」と題してお話ししてみたいと思います。
 他人に迷惑をかけることは良いことか?悪いことか?と聞かれれば、悪いことと思っている人も多いのではないでしょうか?
「他人に迷惑をかける」=だらしない、自立していない、主体性が無い等々、悪いイメージの方が多いかもしれませんね。でも全く他人に迷惑をかけないで生きていくことが可能なのでしょうか?地域で生活をしていれば、お隣さんに世話になったり、町内の人に助けてもらったり、飛騨弁で言うところの「他人にやっかいになる」ことが出てきて当然だと思います。他人に助けを求めたりお願いごとをすることに抵抗のある人もあると思います。私自身も他人のお世話になることが嫌いなタイプです。それは、相手に不快な思いをさせているんじゃないかと心配したり、相手に貴重な時間を使わせて申し訳ないという気持ちからなのですが、そんなにまでして気をつかったところで自分の知らないところで色々他人に迷惑をかけているわけです。
 じゃあ迷惑をかけた相手はどう思っているんだという話しなのですが、何回も同じことを繰り返し頼まれたり、お金を貸してくれという頼まれごと以外は、意外とみんな「しょうが無いなー」と言いながら手伝ってくれたりします。
 人は、誰かに必要とされるのを心のどこかで求めていたりするので、頼りにされるとちょっと嬉しいものです。逆に誰からも必要とされないということは寂しいものです。子供が小さいうちは父親も家庭内での役割があるのですが、子供が大きくなって扶養する必要もなくなり、妻は趣味など友人との関わりで人生を楽しみ始めると、社会からの疎外感を強く感じたり、誰からも必要とされていないと感じて、うつ病になる高齢期男性が多いそうです。
 社会の中で誰かの役に立てるように人生設計をしていくというのはとても大切なことですが、もっと簡単で有意義なのは誰かに自分の為に役に立ってもらうことです。つまり簡単なお願いごとをしていくということです。言葉を変えると上手に誰かに甘えながら生きていくということです。上手に甘えるテクニックに長けた人は仕事でも恋愛でも人生でも他人とうまく付き合っていけます。
恋愛について考えるなら、俗に言う「おひとり様」(独身ライフを楽しんでいる方)の多くは、独りで完結している人が多い気がします。男性であっても仕事・炊事・洗濯・趣味・旅行など器用にこなす人は他人の入り込む余地が無いように見えます。女性の独身者が近年増えてきていると言われますが、同様に充実しすぎた独身ライフを送っているように見えるのでしょう。もちろんそういう人生もありだと思います。でも誰の手も借りずに、生きていくのって都会のど真ん中に住んでいながら、気持ち的には無人島に住んでいるようなものではないでしょうか?他人に程良く迷惑をかけながら生きていくのって、自分も楽になるし他人の生きがいを創出するわけですから、悪いことどころか良いことなんだと思えます。社会貢献の為にも(?)誰かに少し甘えて生きてみませんか?