通信Vol.61(2009年6月)

 東北北部や北陸では梅雨入りしたそうですが、高山は今日も窓の外に初夏の青空が広がっています。朝日を浴びながら瞑想をしていたら、心も体もリフレッシュされました。

 今回は「感謝力」ということについてお話ししたいと思います。
最近誰かに感謝した記憶ってありますか?毎日の暮らしをつぶさに見ていくと周りの人たちに感謝することだらけです。
僕の生活を例に出すと、朝起きてまず屋根と暖かい布団のある所で眠れたことに感謝、朝ごはんを作ってくれる妻に感謝、おはようと言ってくれる子供や母親に感謝、そしてまず夜中にも休むことなく働いてくれている自分の体に感謝、僕が生存できる環境を作ってくれている地球に感謝、仕事では、毎日休まず元気に仕事をしてくれるスタッフに感謝、勇気を出して登録に来てくれる方々に感謝、仕事を発注してくれるクライアントに感謝、・・・と挙げればキリがないのですが、何も考えていないと当たり前のように日々が過ぎていきます。

感謝「力」とあえて「力」の一文字を付けたのは、色んな人や物に感謝するのには努力が必要だからなのです。なぜ感謝する必要があるかというと、この二文字こそが人生の明暗を分けるキーワードと言っても過言でないからなのです。

実際にあった、エピソードを紹介したいと思います。
ある会社で働くAさんは50代半ば、あと数年も働いたら定年という時に、会社の経営が破綻、人員整理後別の会社に吸収合併されることになりました。会社整理の説明が経営幹部から社員一人一人に面談形式で伝えられました。会社の経営悪化を非難する社員が多い中、Aさんだけは、家のローンや家族が生活できたのも会社のおかげだったと、これまでの感謝の言葉を述べました。
 一旦は社員全員が解雇されたのですが、数日後Aさんの自宅にその会社を買収した会社から電話があり、面接をしたいから来て欲しいとのことでした。てっきり他の人も呼ばれていると思ったAさんでしたが、呼ばれたのはAさんただ一人。
 そこで告げられたのは、是非新しい会社に来て社員教育をして欲しいということと、年収が今までの倍になるということでした。

このエピソードを聞いて、Aさんはたまたま運が良かっただけだと思いますか?僕は偶然の話だとは思いません。感謝するには「力」が要ると言いましたが、もう一つの側面からみると感謝には「力」があるのです。色んな事を好転させる力があるのです。
確かに自分の気持ちに余裕が無い時は、感謝なんて出来ないかもしれません。苦しい時つらい時は感謝出来ないかもしれないけど、時間が経った時に何かしら感謝できることがあるはずです。息子を殺された母親は、犯人に感謝は出来ないかもしれないけど、それまで一緒に暮らしてきた亡き息子には感謝できるでしょう。学生時代、自分をいじめた同級生には感謝出来ないかもしれないけど、そっと見守っていてくれた両親や、親切な友人には感謝出来るでしょう。
誰か、何か感謝出来るものを見つけて一生懸命感謝すれば、かならず大きな力となって人生が切り開かれるはずです。

100年に一度の不況とか就職難といわれるこの時代を乗り切るには、感謝力が大きな力を発揮するはずです。
あなたなら、不平不満をぶちまける人と、感謝の人、どちらの人の傍に居たいと思いますか?