通信Vol.46(2008年3月)

 今回は「他人に感情をコントロールされない、他人をコントロールしようとしない生き方」と題して、誰もが幸せな生き方が出来る方法論をお伝えしたいと思います。

 コントロールというと大げさに聞こえるかもしれませんが、日常的に聞く会話の中で「○○さんはどうしてあんなこと言うの?」「どうしてあなたは片づけが出来ないの?」「あの人はなんて常識が無い人なんだ、がっかりだ」こんなことを言ったり、他人が言っているのを聞いたことはありませんか?自分が人の話や行動を聞いたり見たりして感じたことを話しているはずなのに、いつの間にか他人の問題点を自分のことのように勘違いしています。自分を主語に置き換えると「私は○○さんがこんなコトを言っているのを聞いてショックだった」「私はあなたが片付け出来なくて残念に思う」「私が思っている常識とあの人の常識は違っていた、自分の見込みと違っていた」となります。話の主人公を自分にしてみると、問題の本質が見えてきます。問題は相手にあるのでなく、多くは自分の思い方ひとつで悩んでいるのです。

先日、ある方とお話しをしたのですが、市議会議員も務められて礼儀正しい方が、「いままで他人のことを思って色々世話をしていたが、裏切られることばかりだった」「最近の人は、ごくあたりまえの付き合いが出来ない人が多くてバカバカしくなる」と嘆いておられました。気配りの出来る人ほど、他人の「気配り」とか「礼儀の正しさ」「作法」「言葉づかい」等気になるようです。ボランティアで道路のごみ拾いをやってみると、ポイ捨てが許せなくなったりします。人は正しいことをやればやるほど、他人の正しくない行動が目に付くというジレンマに陥りやすいのです。自分の中で満足出来ているうちは良いのですが、他人をコントロールしようとした瞬間に苦しみが生まれます。「あの人はどうしてこんなことも出来ないんだろう」「あの人は全く常識がない人だ」「あの人は計画性がない」etc・・・・他人は変える(コントロールする)ことが出来ないとわかれば考えなくていいことで、一生懸命悩んでしまうんですね。

逆に、相手から「どうして計画性がないの」「どうしてあなたは生理整頓出来ないの」「どうして君はこんな考え方をするの?」と言われたら客観的事実だけをとらえて反省すればいいのに、相手にどう思われるかで悩んでしまうことがよくあります。「どうしてあんな言い方をするんだろう?私嫌われてるの?」と。計画性がなかったり、整理整頓が出来ないことを指摘されているのであって、人間性を否定されているわけではないのです。改善の必要があるところは改善する努力をすればいいし、信念があって変えられないと思ったら「これは変えられないから期待に添えなくてゴメン」と心の中で断ればいいのです。何から何まで他人の期待に応える必要もないし、そんなことは不可能です。
誰かと人間関係がギクシャクして相手が喋ってくれなかったら「何か理由があって喋りたくないんだな」と考えるだけで良いのですが「どうして喋ってくれないんだろう」とか「自分は嫌われているんだろうか?」「どうしたら口をきいてもらえるんだろう」とその理由を考え始めて眠れなくなってしまいます。例えば社内の人全員がしゃべってくれなくなったら困りますが、一部の人がしゃべってくれなくても仕事は出来るはずです。
しゃべらないとか無視する等のいじめをするのは人として最低だと思いますが、その最低の人に感情をコントロールされないようにしたいものです。なんといっても貴方が主人公の人生なんですから他人に感情をコントロールされて悩んだり、他人をコントロールしようとして悩むなんて時間がもったいないと思いませんか?あなたの人生はあなたが思う以上に輝いているはずなんですから。