通信Vol.51(2008年8月)

暑い夏は、暑さを十分堪能したいものですね、皆さんはどのような夏の過ごし方をされていますか?
今回はフロイト(精神分析学者)の提唱した「無意識の意識化」ということについて触れてみたいと思います。
意識は考えてもわかるのですが、無意識って何?って思いませんか?普段考えてないから無意識というのですが、見えないから考えようがないと思われるかもしれませんね。
ここで、ひとつ質問を出したいと思います。あなたが現在の人生をやり直すとしても絶対にこの職業だけには就かないと思う職業を一つあげて下さい。見つかりましたか?この解説については一番最後にしたいと思いますのでお楽しみに。

さて本題に戻りますが、自分の無意識で考えていることが日々の私たちの言動の原動力となっていると言われています。意識部分と無意識部分では無意識部分の方がはるかに大きいとも言われます。ちょうど氷を水に浮かべたときに水面上に出ている部分の何倍もが水面下にあるのと同じようなものでしょう。

あなたはこんな経験がありませんか?
大っ嫌いだった人とふとしたきっかけで意気投合して以来大親友になった。自分が一番嫌いなタイプの人と付き合うことになってしまい、結婚してしまった。あるいは、こんな趣味の悪い服誰が着るんだろうと思っていた服をいつの間にか買っていた。

僕にはこんな経験があります。まだ20歳そこそこの頃、当時日本はバブル景気の真っ只中で、街中にはダブルのスーツを着て、ブランド物のセカンドバッグを小脇に抱えベンツやシーマに乗っているエセ社長がゴロゴロいました。彼らを見ながら「ダブルのスーツなんて外国人が着るからカッコが良いのだ、日本人が着たらヤクザにしか見えない」と強く思っていました。ところが数ヵ月後、ふとしたきっかけで、大っ嫌いだったはずのダブルのスーツを着込んで颯爽と街を歩いている自分がいました(笑)
多分無意識下では、バブリーな出で立ちで街を歩いてみたいと思って憧れていたけれど、自分には似合わないと思って遠ざけていたのでしょうね。

経営コンサルタント神田昌典さんはメルマガの中で「あなたが強く否定しているものが、今のあなたに必要なものである」と言っています。例えばお金が必要な人ほど金持ちを否定する、笑顔の必要な人ほど笑顔の人を否定するということです。
几帳面な人はズボラな人を否定し、ズボラな人は几帳面な人を否定する。お互い心のどこかで「ズボラになれたら楽なのに」「もっと几帳面にものごとを運びたい」と思っているのかもしれませんね。

自分が普段気づかない無意識に目を向けると、嫌いだと思っていたものに憧れていることに気づいたりして、自分のことが愛おしくなったりします(笑)
自分の欲求を受け入れられないといつまでも心の中でねじれ現象が解消されず、わけもなく腹が立ったりイライラしたりするのではないでしょうか。もっと自分自身を知ってみても良いのではないでしょうか、何といっても自分の一番の理解者は自分自身なのですから。

さて先ほどの質問の種明かしをします。お気付きの人もあるかもしれませんが、自分が絶対にやらないと思う職業が本当は一番望んでいる職業なのです。自分には高嶺の花と決め付けてあきらめるように思い込んでいるのかも知れませんね。ちなみに僕は芸能人でした(笑)