通信Vol.109(2013年6月)

 今年は早くもカラ梅雨との噂が出るくらい、梅雨入りしてからの降水量が例年に比べてかなり少ないようです。個人的には晴天の方が好きですが、農作物にとっての恵みの雨も待ち遠しいでしょうね。
 
 今回は誉めること誉められることの効果についてお話したいと思います。
 誰でも生まれてすぐは、叱られることより誉められることの方が多いでしょう。泣き声が大きいから元気が良いといっては誉められ、笑ったら誉められ、ハイハイして誉められ、立って誉められ、歩いて誉められ・・・等々、誰でも無条件で誉められる時期があると思います。
 ところが小学校に上がったあたりから、片付けが出来ないと叱られ、宿題をしていないといって叱られ、成績が落ちたといって叱られ、就職してからは先輩や上司に叱られ、結婚してからは、掃除が出来ないといって叱られ、だらしがないといって叱られ、叱られるネタを探したらいくらでも出てきますから、機会があるたびに叱られてばかりです。誉められることと叱られることを比べたら、誉められる回数なんて数えるほどです。
 誰でも叱られるより誉められる方が気持ちいいでしょう。誉められたいのに誉められずに、叱られてばかりというのが現実のようです。

 先日友人から面白いことを教えてもらいました。
 友人は、最近流行りのスマートフォンでSNS(ネットワーク上で知らない人や、顔見知りの人達と会話やゲームで行うコミュニケーション)をやっていて、普段殆ど会話をしてなかった職場のDさんとコミュニケーションをとるようになりました。Dさんは気さくに誰とでも話す人ではなく、いつも不機嫌で周囲の人からも煙たがられるような人でした。
ところがSNSゲームの中で「アバター」という自分が作り上げたキャラクターのファッションやヘアースタイルをお互いに誉めたり、誉められたりするうちに、ゲームの中だけでなく日常会話でもファッションを誉めたり、ゲームの中の話をするようになり、精神的にも安定した状態が続き、周囲の人達への接し方も変わってきたというのです。
Dさんのその変貌ぶりに驚いたのは、ゲームをしていない周囲の人達です。他人を誉めることなんてなかったDさんが、簡単に誉め言葉を発するようになったのです。
 フェイスブックというSNSも、自分の日記のような書き込みに対して友人、知人、知らない人までが「イイね!」ボタンを押して、自分の意見や書き込み、写真などに賛同してくれます。
もちろん、他人の書き込みに対しても「イイね!」ボタンを押します。
 私もフェイスブックやSNSゲームをやっていますが、自分が「イイね!」と言ってもらいたいから、積極的に他人の書き込みに「イイね!」といいます。自分がしてもらいたいことを、他人にもしてあげるという人間関係の基本がSNSによって再認識させられます。
 実生活の中で、ファッションヘアースタイルを沢山の人から誉められるということは、芸能人でもない限りあまりないですし、自分の考えを発表する場所もなければ、沢山の人から賛同を得られるなんて経験もあまり出来ません。それが簡単に出来るのがSNSなのです。
 家族と殆ど会話が無い人や、他人から誉められるなんて無いよという人はSNSをやってみては如何でしょうか?誉めることはクセ付けで簡単に身につけられる習慣です。バーチャル(仮想世界)でのコミュニケーションが実生活のコミュニケーションを良く変えるというレポートはありませんが、多少なりとも効果はあると思いますよ。