通信Vol.146(2016年7月)

毎年夏になると「今年の夏は暑いねー去年はこんなに暑かったっけ?」なんて会話をしています。「今年の風邪は・・・」「今年の冬は・・・」て要は会話のネタなんですよね

 今回は「幸せ感」についてお話ししたいと思います。
あなたは幸せですか?自身を持って「幸せです!」と答えられる人が何人いるでしょうか?先日、ベトナム人留学生が新聞にこんな投書をしていました
「私は日本に来るまで、日本は立派で偉大な国だと思っていた。来日当初も、街の発展ぶりや人々の生活の豊かさを見て、私の国ベトナムとの差は大きいと感じた。きっと日本人は自分の国に誇りを持ち、幸せだと感じているのだろうと思っていた。しかし、来日から10カ月が過ぎた今、実はそうではないように感じる。日本は、世界でも自殺率が高い国の1つだという。電車の中では、睡眠不足で疲れた顔を良く見る。日本人はあまり笑っていないし、いつも何か心配事があるような顔をしている。日本人は勤勉で、一生懸命働いて今の日本を建設した。でも、会社や組織への貢献ばかり考え、自分の成果を自分が享受することを忘れていると思う。ベトナムはまだ貧乏な国だが、困難でも楽観的に暮らし、めったに自殺を考えない。経済的豊かさは幸福につながるとは限らない。日本人は何のために頑張っているのか。幸福とは何なのか。日本人自身で答えを探した方がいいと思う。」

 皆さんは、このベトナム人留学生の投稿を読んでどう思いますか?
 多くの日本人は、この投書を見て日本はもう経済大国の第一線から落ちこぼれそうだし、大人も子供も疲れているし、日本はもう駄目だ、アベノミクスも失速しそうだし、憲法改正して戦争に巻き込まれるんだ。なんて悲観的に考える人も多いのではないでしょうか?
 ところがそんな人ばかりではありません。私の周りには希望や夢を熱く語る老若男女ばかりです。みんな目を輝かせて未来を語っています。景気が悪い、政治が悪いなんて不平不満をぶちまけている友人なんて一人もいません。日本を称賛する外国人が多いのも事実です。
 これは一体どういうことなのでしょうか?
 タネをあかすとこういうことです。人は自分の心の色眼鏡を通して世の中を見ています。薔薇色の色眼鏡を持っている人は、世の中がすべて薔薇色に見えますし、こげ茶色の色眼鏡を持っている人は糞まみれの世の中に見えます。つまりこのベトナム人の青年は自分の色眼鏡で日本社会を見ていたから疲れた人ばかりが目に飛び込んできたのです。同じ環境の中にいても、人によって見える世界が全く違うのです。
 では自分の心の色眼鏡は何によってつくられるのでしょうか?
 それは、育ってきた環境やものの考え方、性格だと言われますが、やはり一番は、親の考え方や、愛情をいっぱい受けて育ってきたかどうかが大きく関わってくると思います。愛情は心の安定感に大きく作用するからです。自分が愛されて育った人は、他人も愛せるし世の中も愛せます。では愛されて育てられなかったら不幸になるのかというとそんなことはありません、今まで愛情を受けられなかった自分を認めて「愛されなくて寂しかったよね、もっと愛してほしかったよね」と自分自身と対話することによって自分の心にポッカリあいた愛情ホールに自分で愛情を注ぐことが出来るのです。自分で自分を愛するようになると驚くほど他人からも愛されるようになります。他人からの愛ばかり待っているときは誰も愛情を振り向けてくれないのに、自分自身で愛情を注ぐと他人も同調するように愛してくれるから不思議です。