通信Vol.156(2017年5月)

野山の新緑が眩しい季節となってきました。例年、5月は花粉アレルギーで目や鼻の奥の痒みがあったのですが、今年は薬も飲んでいないのに嘘のように症状が出ないので
ありがたいです。

 今回は「読書のすすめ」と題してお話ししたいと思います。

 まずは下のイラストが気になった方も多いと思います。一番左の人は目の前の綺麗な光景に目を奪われていますが実は壁面に描かれた絵を見て感動しています。

真ん中の人は壁面の絵の向こうに広がる現実の世界を眺めています。一番右の人はさらにそのはるか上空に広がる素晴らしい光景を見ることが出来ています。この三者の立ち位置の違いはどこから来るのでしょうか?

一番左の人は地面の上に立っています。真ん中の人は数十冊の本の上に立っています。一番右の人は数百冊の本の上に立っています。

 このイラストは何をあらわしているのでしょうか?

 人が経験できる物事や、経験する時間には限りがあります。日中仕事をしている人は家に帰って寝るまでの数時間や休みの日の時間しかありませんし、身体も一つですから経験できることには限度があります。それを補うのに読書という手段があります。

 本の著者は、一冊の本を書きあげるのに色んな取材を重ねたり、参考文献として何冊も本を読んだりします。自分に代わって色んなことを経験したり
取材してそのエキスを伝えてくれるわけです。

 そのエキスを自分に取り入れることによって、心で感じる世界観が変わってきます。右のイラストでいうなら段々と視点が変わってきて、物事を広く見られる(感じる)ようになるということです。読書をしている人としていない人では見えている世界観が違うということでしょう。

 ただ、本やインターネット上に溢れる情報は出所があやふやで真偽が定かでないものもあるので、すべて鵜呑みにしないことも大切ですが、喰わず嫌いでなく何でも読んでみる、見てみる、聞いてみることが大切です。取捨選択する選択眼も次第に養われてきます。

 私も最近、忙しさや老眼で本が読みにくくなったのを良い訳に読書から遠ざかっていたので、今日から読書を習慣づけたいと思います。