通信Vol.159(2017年8月)

毎日暑い日が続きますが、こんな暑さもあと少しの間だけですね。秋の風が吹き始めると何だか寂しい気分になります。もう少しだけ飛騨の夏をじっくり堪能したいと思います。

今回は上手なクレームの伝え方を伝授したいと思います。
あなたは誰かにクレーム(苦情)を伝えたことがありますか?そのクレームはきちんと相手に伝わって、あなたの困りごとは確実に解決されましたか?

たとえば家電量販店で買った掃除機が1週間で動かなくなってしまった。スーパーで買った食材が痛んでいた。宿泊先のホテルで禁煙室を予約したはずなのに、部屋がタバコ臭い。通販で買った品物が不良品だった。等々自分の思いと違った事象に出くわしたときに怒りにまかせて不満を相手(店員?)にぶつけたことが一度や二度はあるでしょう。私は何回もあります。しかし、こちらの怒りのボルテージが上がれば上がるほど相手が思うような対応をしてくれなくて、最終的にはクレームを言っている客があきらめるか相手が折れて謝るまでネチネチとごねるかの二者択一になります。
本来であればこちらが困っているのだから、サービスや物を提供する側が真摯な対応をしてくれれば丸く収まるところです。
こちらは問題を解決してほしいだけなのに、困っている状況が伝わらないのには原因があります。それに気づいてからというもの、クレームの伝え方を根本的に変えた結果、素晴らしいクレーム対応を何回も体験することが出来ました。それ以後は腹の立つクレーム対応には一度も遭遇していません。

ではどう伝えれば自分の困りごとが相手に伝わり、こちらが求める以上の対応を引き出すことが出来るのでしょうか?
ポイントは3つあります。
○1つ目は感情を付け加えないこと、受け取らないこと。たいていの場合、怒りの感情を乗っけてしまうのでそれだけで相手のシャッターが下ろされてしまいます。冷静に状況を説明するだけで十分すぎるほど相手には伝わります。また相手が感情的な対応をしてきた時は相手の感情をふるいにかけて、言葉の本質だけを受け取るようにします。あくまでも感情は受け取らないというスタンスで望むと、相手が出した怒りの感情は相手の喉の中に戻っていきます。
○2つ目は、手のひらにボールを乗せて相手と一緒に眺めるように、客観的に「こんなんなってまって、困ってるんですよー」と相手と一緒に手のひらに乗せたボール(第三者の困りごと)を見るかのようにふるまう。多くの場合ボールを相手に渾身の力を込めて投げつけた後に、「どや!痛いやろー!」といわんばかりに睨みつけてしまいます。それでは相手は逃げ腰になるだけです。
○三つ目は相手の立場に立って考える。「あなた達の立場もよくわかる」というスタンスで相対すると自然とこちらも笑みがこぼれます。怒って伝えても微笑みながら伝えても、店のシステム的に出来る対応は限られています。あとはその店員の裁量によってどこまで良い条件の対応を引き出すかがこちらの出方次第です。
これらは、いわゆる客としてのクレームだけでなくて、身近な人に要望を伝える時にも有効ですから是非お試しください。