通信Vol.188(2020年1月)

昨年の冬も雪が少なかったのですが、今年の冬は今まで経験したことないくらいに、雪も無く暖かいです。春の足音が聞こえそうな日差しを感じます。

 今回は、身体の痛みに強い人、メンタルの強い人についてお話ししたいと思います。
 以前、医師から聞いた話によると、同じようなケガや病気で感じる痛みでも、痛みの感じ方に個人差があるらしいです。もっとも、どの程度の痛みを感じているのかは本人にしか分かりませんから、痛みの度合いを比較すること自体難しいのですが(笑)
 痛みを感じにくい人(痛みの訴えの少ない人)の共通した特徴というのが、①感謝の言葉の多い人 ②「痛い痛い」と言わない人なのだそうです。①の感謝の多い人がなぜ痛みを感じにくいのかは、科学的根拠に乏しいのですが「ありがとう」という言葉は筋肉の緊張を解いてリラックスさせる効果があるようです。私は以前、五十肩で肩が痛かったときに自分の身体に「いつも無理を聞いてくれてありがとう、無理させてごめんな」と言って言葉がけをしたところ、本当に痛みが和らいだ経験があります。それ以来、打ち身や腰痛など、痛みを感じたときには、感謝の言葉がけをするように気をつけています。医師の話では、腰痛や頭痛など体の痛みが起こる場合に、なぜ痛みを感じるのか原因が解明されていないケースが多くあるのだそうです。どうも心のあり方と身体の神経に密接な関係があるようです。
 もう一つの②「痛い痛い」と言わない人というのは、痛くないから言わないのではなく痛くても「痛い」と口に出さない人ということです。自分の喋る「痛い」という言葉に脳が反応して、「自分は今痛みを感じているんだ」と再認識して、脳が痛みを増幅させる効果があるそうです。痛いところに神経を集中させてしまう悪い効果もあります。漫才や落語を聴いて笑っている間は、痛みを忘れることがあるとも言われます。人間の脳は同時に色んなことを感じるのが苦手なようで、楽しいことがあるとその間だけは、痛みを忘れられるようです。これはメンタル的(精神的)にも言えることですが、他人から嫌なことを言われた時に、いつまでもそのことを根に持って、第三者に「私はあんなことを言われた」「あの人にこんな酷いことをされた」と言って回ると、一度言われた言葉を自分で何度もリピートすることによって、何度も傷つきます。嫌なことをいつまでも覚えていて「傷ついた、傷ついた」と何度も傷つくよりも、嫌なことを忘れてしまう能力があればメンタルは強くなれます。一時期、テレビドラマの影響で「やられたら倍返しだ」なんて言っている人もいましたが、嫌味を言われた場合の倍返しは、自分がやられた以上に相手と自分にダメージを与えているので、自身のメンタルに悪い影響を与えそうです。
 痛みや痛みを与えるものと戦うより、まずは痛みの原因を遠ざける。後は痛いこと痛かったことを忘れる。これが痛みから逃れる一番の方法ではないでしょうか?
身体や心の痛みを緩和することが出来ると、生き辛さが少し緩和されそうです。