通信Vol.203(2021年4月)

今年は例年より10日ほど桜前線の到来が早く、花見の宴会は出来ませんが、お天気続きで花見に出かけられた方も多かったのではないでしょうか。この通信が皆さんの手元に届くころには、桜の青葉が出てきているかもしれませんね。

 

 今回は、日々穏やかな心の状態を保つ方法についてお話ししてみたいと思います。

貴方は、夜ぐっすり眠れていますか?不眠の多くの原因は人間関係のトラブルであるといいます。「あの人にこんなことを言われた。」「あの人に酷いことを言ってしまった。」「どうしてあの上司は自分のことを理解してくれないのか」といった具合に、考え始めると頭の中で色んな思考がグルグル回りだして眠れなくなってしまうのだそうです。

 

こういった思考を繰り返す人の特徴は、「自分のことを大事にされていない」「あの人は自分のことを見下しているんじゃないか」「自分はどんな風に思われているんだろう」などと自分中心の思考に陥ってしまう傾向があります。思考の矢印が自分に向いてしまっているのが悩みの大きな原因です。自分のことを相手がどう思うかは、相手の都合によります。相手の都合によって自分に対する気持ちは180度変わったりします。酒が好きな人に酒を勧めたら喜ばれますが、酒が嫌いな人に酒を勧めたら困惑するでしょう。同じ行動をとっても相手によって受け取り方はさまざまなのです。

 

 ではどう考えれば、平穏な心の状態を保てるのかというと、まずは自分の課題(領域)と相手の課題(領域)をしっかりと分離して認識することです。相手の課題か自分の課題かをしっかり見極めるということです。

 次に自分が相手に対して何をしてあげられるか、どんな援助が出来るかを考えることです。これは私自身の課題です。自分の行動に対して相手がどうリアクションするかは考えてはいけません。それは相手の課題ですから。先ほどの例で考えると、酒を勧めた相手が酒が嫌いと分かれば、違う飲み物を勧めるということです。それでも断られたら、相手が飲み物を必要としていないということです。

 どうすれば相手が喜ぶよう援助できるか、どうすれば相手が成長できるよう援助できるか、どうすれば相手の苦しみを抜くお手伝いができるか、どうすれば相手が楽しく過ごせるよう協力できるか、どうすれば相手が課題を克服できるよう援助できるか、相手が日々穏やかに過ごせるよう自分に出来ることは何か等々、相手の立場に立って、かつ自分が主語で、ものごとを考えるようにすると驚くほど心が穏やかになります。

 

 注意する点は、相手のニーズとそれに対して自分に何が出来るかだけを考えるということです。自分の課題だけを考えるということですね。その結果相手がどう思うか、何を言うか、どんな態度をとるかは相手の都合で決まりますから、そこまで考えなくてよいということです。他人の課題に踏み込んで悩むのは、一見普通のことのような感じがしますが、他人の家にズカズカと土足で上がりこむようなものです。人には喜ぶ自由、悲しむ自由、成功する自由、失敗する自由、悩む自由があります。たとえわが子であっても、その人に過度に干渉し、おせっかいをやくのは、自由を奪っているようなものです。

 

 自分も穏やかになり、相手も穏やかになればWINWIN(双方良し)の関係が築けますよね。