通信Vol.218(2022年7月)

いつになく短い梅雨が明け、夏らしい暑さが続いています。今が一番夏らしい季節ですね。夏の果物といえばスイカですが、個人的にはパイナップルにかぶりつきたい今日この頃です。

 

今回は、自己肯定感についてお話ししたいと思います。自己肯定感とは人生を豊かに生きたり、穏やかな人間関係を築く為に必要なものです。何があっても揺らがない自尊心とも言えます。

自己肯定感と聞くと、○○大学を出たから自分は賢いとか、仕事ができるとか、国体に出場したから自分はすごい、テストで満点を取ったから自分はすごいという事を想像しがちですが、それとはちょっと違います。もちろん勉強して難関大学に入ったり、スポーツで名を馳せることは素晴らしいことです。これらのことは自分に自信をつけることにはつながりますが、自信をつけることと自己肯定感を育むことは違います。

自己肯定感とはどんな状態でも自分を肯定できる状態で、良いときも悪いときもこれで良いと思える感覚です。自分がどの程度自己肯定感を持っているのかを簡単にチェックする方法があります。それは他人をどの程度肯定できるか、受容できるかで計ることが出来ます。何故なら人は自己を肯定する程度しか他人を肯定できないからです。自己肯定感の器と他者肯定感の器はイコールなのです。あの人のここが許せない。あの人のあの言葉が許せない等と他者を肯定できない人は、まず自身の自己肯定感を高めてみることをお勧めします。

自己肯定感を高めるために必要なのが自己受容です。良いときも悪いときも、出来ても出来なくても自分自身を受容(受け止める)ということです。自己を受容すると、自分のことも他人のことも許せるようになって、世の中が少し生きやすくなります。他人のことが許せないというのは生きにくいものです。学校や職場で嫌いな人、許せない人が何人かいる人は、その場へ行くのが苦痛になりますし、嫌いな人とコミュニケーションをとることもストレスになるでしょう。

誤解しないで欲しいのですが、自己を受容するということは、嫌いな相手を好きになれという事ではありません。誰かのことを嫌いな自分を許すということです。○○さんのことが嫌いな自分、どんな相手とでも仲良くなれない自分が許せないから辛いのです。もし自分が嫌いな人(仮にAさんとします)Aさんに原因があるのなら、Aさんの周りの人がみんなイライラするはずですが、そうでないのならば自分の心にイライラの原因があるということになります。私はAさんのことが心底嫌いなんだな。Aさんのここが嫌いなんだな。と自分の気持ちを受けとめることが大切です。

ではどうしたら、自分の良いところも悪いところも受容できるようになるのかという方法論になってきます。自己受容を育んで自己肯定感を高めるためには、自分の気持ちを分析してみることが必要です。

ここで「Doingドゥーイング」,「Havingハビング」,「Beingビーイング」についてお話したいと思います。「Doing」とは自分の行動です。徹夜でテスト勉強をした。仕事の成績を上げるために血眼になって努力した。などです。次に「Having」とは自分が手に入れた物、地位、名誉、他人からの評価などです。最後に「Being」とは自分自身のあるがままの姿、存在そのものということです。

自己肯定感を高めるには「Doing」(行動や努力)や「Having」(行動や努力によって得られたもの)でなく「Being」(あるがままの私)を受け入れることが重要になってきます。自己受容ということです。これについては次回もう少し掘り下げてお話ししたいと思います。                                      

(次回へつづく)