通信Vol.223(2022年12月)

初雪も舞い、気持ちの上では冬到来ですが、身体の準備がまだまだ追いつかない今日この頃です。

今回は、人生を好転させる「行動ダイアリー」を紹介したいと思います。これは心理学の認知行動療法を提唱したアーロン・ベック氏が発明した手法で、自分の好きなこと、得意なことを見つけたり、仕事や勉強に対する取り組みが劇的に変わる方法です。

 

1日の行動を1時間ごとに区切って、行動の内容とそれによって得られた達成感と喜びを10段階で記録するという簡単なものです。朝起きてから寝るまで、1時間のうちで最も比重の重かった行動の内容だけをピックアップして書きます。  

大人なら仕事の内容、子供なら学校の中での行動や家に帰ってからの行動を書きます。書くのは、3日間だけです。

 

これによって何が分かるのかというと、「勉強」は嫌なもの、「仕事」は辛いものという先入観を持ちがちですが、実際にやった時の感情を見てみると、達成感も喜びも意外と大きかったりします。

「仕事はストレス」だという概念を持っていた人が、仕事が楽しいものだと気付くことがあります。働き方改革で世間では「長時間労働」が「悪」だという風潮がありますが、仕事が楽しく苦にならない人にとって、「長時間労働」は「悪」なのでしょうか?

又、実際に行動ダイアリーをつけた中学生が、ゲームは楽しい、勉強は辛いと思っていたけど、実際はゲームは達成感も喜びもあまり大きくなく、勉強の方が達成感も喜びも大きいことに気付いて、ゲームをする時間が減り、勉強の時間が増えたという事例があったそうです。

 

普段私たちは、自分の感情を客観的に見ることは少なく、固定観念や周囲の人たちの言葉に捉われて、色んな思い込みや信じ込みをしています。行動と感情を結びつけることによって、客観的に自分の好きなことや得意なことを見出すきっかけになればと思います。自分を知ることが、よりよく生きるために必要なことではないでしょうか。